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「「売る」ための仕事術」吉越 浩一郎

2019/04/26公開 更新
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「売る」ための仕事術


【私の評価】★★★★☆(83点)


要約と感想レビュー

 経営の本を読むと社長がまず取り組むべきは、営業、マーケティングだと書いてあります。この本では、現役時代19年連続増収・増益を達成した吉越さんの営業の考え方を学びます。世の中には商品開発について、営業より商品開発部、マーケティング部や企画部門が強い会社があります。吉越さんが強調するのは、まず、いつもお客様と接している営業の話を聞かなければならないということです。


 つまりお客様がどう思ったり感じたりしているのか、リアルな情報を持っている営業の意見こそ最優先すべきということです。吉越さんは営業から上がってくる報告や意見を、優先して取り入れ、それを踏まえたうえで方針を決めていたというのです。具体的には、毎週月曜日に、本社に各店舗の店長を集めて会議を行っていたという。そこで出された現場からの情報や意見を商品化に役に立てていたのです。


・私はいつも答えは現場にあると言っています。答えのいちばん近くにいる営業が、一般消費者が求めているものを咀嚼して、こういった製品をほしがっているといえるはずなのです(p18)


 そして管理会計は基本中の基本です。月毎、店舗毎の収支がわかるようになっている。具体的には、毎月一日の午前八時には、すべての店舗の前月の損益計算書が出るように、システム化されており、誰もがこの情報を見ることができ、どこの店舗のどういった問題があるのかがすぐにわかるようになっていたという。


 店舗毎の収支がガラス張りになることで、社員の誰もがどこに問題があるのか、理解することになります。そして、その問題への対策を早朝会議で徹底していく。実行と反省を繰り返していくのです。


 当たり前のことを 圧倒的なスピードと圧倒的な徹底度で行っているのだと思いました。やるべきことをすべてリスト化し、それをスケジュール表やチェックシートに落とし込んで、もれなく実行していくのです。何ヶ月も前から課題解決の準備をしておき、会議では一つの課題を二分で判断して、実行していくのです。


 例えば、展示会があるとすれば、事前に準備して実行し、終わったら、必ず反省会をやるのです。失敗や課題があれば、原因を分析し、再発防止対策をまとめ、リスト化し、次の展示会に反映させるのです。


 仕事の密度が薄すぎるホワイトカラーを追い込むと言っているように、仕事に期限を切ってやってもらうと効果的だという。著者の経験からいえば、たいてい五倍は密度を高められるという。意識を変えるだけで、定時の時間内に圧縮することが可能なのです。吉越さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・できないのはトップの取り組み方が甘いのです・・トップにはもう一つ大切な役目があります。それは、先を見据えた長期的な戦略を立てるということです(p67)


・海外の企業では、管理職には必ず秘書をつけます。そして、秘書でも間に合う仕事はみな秘書に任せてしまう・・自分は安心して自分にしかできない、より会社にとって重要度の高い知的な作業に打ち込めるからです(p85)


・私は現役時代から、必ず八時間寝るようにしています・・・仕事に集中し最大限のアウトプットを引き出すためには、八時間の睡眠は不可欠です(p184)


・仕事というゲーム・・・仕事で起きたことはいいことも悪いこともそこで完結させて、仕事以外の人生には持ち込まないことです(p186)


▼引用は下記の書籍からです。
「売る」ための仕事術
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吉越 浩一郎
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【私の評価】★★★★☆(83点)


目次

第1章 会社を引っぱるのは営業です
第2章 そのやり方では売れません
第3章 即断、即決、即実行+前倒しを実践しよう
第4章 「売る」ための仕事術を身につけよう
第5章 SUK営業術で高みを目指そう
第6章 吉越式上司の鉄則
第7章 勝てる営業の心得



著者経歴

 吉越 浩一郎(よしこし こういちろう)・・・1947年生まれ。大学卒業後、メリタジャパンなどを経て1983年にトリンプ・インターナショナル(香港)入社。プロダクトマネジャーなどを経て、86年よりマーケティング本部長。87年代表取締役副社長。92年代表取締役社長。毎朝八時半に開かれる「早朝会議」をはじめ、「ノー残業デー」「がんばるタイム」など、効率重視の経営で、19年連続の増収増益を達成。2006年、予定どおり60歳で社長を退任。吉越事務所を設立。


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