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「結果を出すリーダーの条件」吉越 浩一郎

2019/04/19公開 更新
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結果を出すリーダーの条件 (PHPビジネス新書)


【私の評価】★★★★☆(86点)


要約と感想レビュー

 女性下着のトリンプで19年連続増収増益を達成した吉越さんのリーダー論です。日本ではトップダウンは部下の抵抗があり、実際に動かないのでうまくいかないという。だから日本では根回しや打合せを繰り返して、組織内にやらざるをえない空気を作ってから指示を出すのです。いわんや新任の上司であれば、お手並み拝見と様子見の部下が多いのでしょう。


 結果して日本の会社は、とんでもなく非効率で仕事が遅いというのです。職場は騒がしくて、なんとなく仕事をしている雰囲気ですが、実際自分の仕事と真剣に向き合っている時間というのは短いのです。つまり、仕事の密度が薄いのだという。


・そのリーダーに従うことで成果が出たという経験を実際に何度もして、ようやく部下は彼を有能だと認め、リーダーとして評価するのだ。だから、そうなるまでにはかなりの時間がかかることを、リーダーになる人は覚悟しなければならない(p77)


 欧米では上司の指示に、部下が素早く動きます。動かなければクビにすればいいという考え方です。その代り上司の指示で動いて結果がでなければ、上司がクビになるのです。これを繰り返して、成果のでる方法、成果を出す上司が生き残るのです。クビになりにくい日本では、その点、甘さが出るのかもしれません。


 そこで、扱いにくい年上の部下に対し、吉越さんはデッドラインを設定することで、動かしてきたという。「やっていただけますか」という丁寧な頼み方をすれば、相手はそれを受け入れるのです。口調はソフトでも三日後という期限が決まっていて、相手はそのデッドラインに逆らうことができなくなるのです。


・ビジネスは結果がすべてである。だから上司が重視するのは、あくまで結果・・・私の後任の社長は、業績低迷が理由でわずか三年で解雇されてしまったが、こんなことは欧米では日常茶飯事なのだ(p85)


 トリンプで吉越さんは、早朝会議を毎日行い、課題についていつまでに、誰が、どう対応するか決めていきました。例えば、会社の廊下にゴミが落ちていたとしたら、「拾って捨てておけ」と部下に命じて、「時々この場所にゴミが落ちているようだが、考えられる原因と対策を紙にまとめて、今日の午後五時までに私のところに提出するように総務部に伝えてくれ」と指示するのです。


 こうした対応に、部下が反発し部屋から出ていったこともあったという。「あんたがそういうなら俺はやらない」という人もいたのです。髪の毛はあっという間に白髪になってしまいました。それでも吉越さんは、他の協力的な部下に仕事をしてもらい結果を出し、19年頑張ったのです。


・会議で社員がまとめてきた対策の甘いところを追及すると、怒って会議室から出ていったということも何回かあった。それでも私は、デッドラインを浸透させないと低迷していた業績を回復させることはできないという信念をもっていたので、どんなに反発されようと毎日会議をやり、デッドラインを付けて働くというスタイルをしつこく社員に叩き込んでいった・・・おかげでこちらの髪の毛はあっという間に白髪になった(p195)


 吉越さんの後任が結果を出せなかったという点からも、吉越さんスタイルはなかなか真似するのが難しいのでしょう。年上部下には言いにくいとか、OBの発言力が強いなど日本的な人間関係は簡単には変わらないのかもしれません。


 それでも部下にデッドラインを付けて仕事を与え、その結果を見て評価を下すのが上司の立場であり、役割であるのです。だからこそ、日本でもこうした仕事のスタイルでの成功例が求められているのかもしれません。吉越さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・日本人はこのスピードがことのほか弱い・・・計画や検討をものすごく重視する・・・最初から完璧な青写真を描くのではなく、走りながら徐々にコースを修正していけばいいのである・・時間は計画ではなく、実行にこそ使う(p42)


・楽天の三木谷浩史氏は、気になることがあるとすぐに「明日の朝までにこれを調べてもってこい」と部下に命じるというが、これこそがリーダーの正しい姿だ。部下に遠慮して、データが不十分なまま決断を下すようなことをすれば、組織を誤った方向に導きかねない(p54)


・簡単なヨガとか新向法などのストレッチを・・自分でできるように習っておくことをお勧めする・・それと、あとはよく寝ることだ(p152)


▼引用は下記の書籍からです。
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【私の評価】★★★★☆(86点)


目次

第1章 九五%の暗黙知を手に入れろ
第2章 有能と無能の境界線
第3章 結果重視、即行、トップダウンを徹底せよ
第4章 恐れと遠慮を捨てて導く力を



著者紹介

 吉越 浩一郎(よしこし こういちろう)・・・1947年生まれ。大学卒業後、メリタジャパンなどを経て1983年にトリンプ・インターナショナル(香港)入社。プロダクトマネジャーなどを経て、86年よりマーケティング本部長。87年代表取締役副社長。92年代表取締役社長。毎朝八時半に開かれる「早朝会議」をはじめ、「ノー残業デー」「がんばるタイム」など、効率重視の経営で、19年連続の増収増益を達成。2006年、予定どおり60歳で社長を退任。吉越事務所を設立。


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