「ノアの洪水」ウォルター・ピットマン ウィリアム・ライアン
2019/04/20公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★☆☆☆(63点)
■聖書にある「ノアの洪水」は
実際にあった!という一冊です。
1万1000年前まで氷河気候の中、
黒海は窪地にある単独の湖であった
というのです。
その後の温暖化により
地中海の水位上昇により
海水が黒海に流れ込み、
これがノアの洪水だったのではないか
というものです。
■この仮説に対しては、
過去1万年間、黒海のほうが
地中海より水位が高かったと主張する
グループもあるようです。
数千年という年月の中では気候も変わり、
人の営みも変わってきたという歴史があり、
現代の気候変動もその一部として
起きているのだと思いました。
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・紀元前5600年ごろには、海水がボスポラスの
渓谷に侵入して500フィート下の黒海の湖へ
注ぎ込むぎりぎりの高さまで海の水位が上がった・・・
湖の水位は一日に六インチずつ上がりはじめ、
すぐに三角州を水浸しにして、平坦な河谷へ
侵入していった・・(p286)
・1万2500万年前、ヨーロッパに過酷な氷河気候が
戻ってきた。<ヤンガー・ドライアス>と呼ばれる
現象である。それは1000年も続くことになる・・・
黒海とその周辺では降水量が減り、そのせいで
流れ込む水が減り・・・水位が下がりはじめ・・
水の流出が止まり、黒海は孤立した湖になった(p283)
・二万年前、大規模な氷河の融解が始まった。
冷たい水は奔流となって海へ注ぎ、
海面はゆっくりと上昇しはじめた。
氷の巨大な荷重が次第に陸地から軽減されていった。
北ロシアでは融水で満たされた何本もの川が
南へ向かって草原地帯を横切り、
最終的には氷河期の黒海へ流れ始めた。
その氷河の溶けた水は湖を満たして水位を上げ、・・
その過程で氷河期の湖は淡水化され、
人間や動物が飲むことのできるものになった(p281)
・大気中のメタン濃度は温かくて湿潤な時代には上昇し、
寒冷で乾燥した時代には低下するのである・・・
突然の寒冷化は紀元前6200年にはじまり・・・
それから400年間、紀元前5800万までつづいていた(p222)
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【私の評価】★★☆☆☆(63点)
■目次
第1部 洪水の物語の発見
第2部 本物の洪水の発見
第3部 そこにいたのはだれか、そして、彼らはどこへ行ったのか?
第4部 語られた洪水物語
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