「仕事ができる社員、できない社員」吉越 浩一郎
2015/03/23公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(87点)
要約と感想レビュー
早朝会議の吉越さんの一冊です。社長が変わると会社が変わる。吉越さんが社長になってトリンプは19年連続で増収増益でした。その秘訣は、デッドライン設定によるスピードと社長の徹底力です。
あらゆる仕事に「デッドライン」を設定し、「いつまでに何をやるか」を明確に決めて、それに従って効率的に、集中的に仕事を進めていったという。
吉越さんの管理職へのアドバイスは、、部下が担当すべき仕事と権限を決め、決めたら部下が担当する仕事に手を出さないということです。上司は部下のやったことを聞き、評価し、次にいつまでに何をするのか決めさせるのです。
方針を示す社長は、どこにでもいます。吉越さんは、その方針を実際にやっているのか、やっていなければ、どう改善するのか、再発防止策はどうするか、としつこく徹底している姿勢がすごい。それは、私心をなくし、社長の責務として、やるべきはやるという考え方を貫いているのです。
・できる人は、自分の考えを"周知徹底"させる・・同じ情報を持てば、誰もが同じ結論に達するはずなのです・・私心による判断を排除してバイアスがかかることをなくしたうえで、伝える力を生かさなければなりません(p144)
そして、人にはいろいろな性格があって、上司はその性格で役割を果たしていくしかない、と断言しています。どんな性格も長所にもなれば、欠点になり得るのです。長所を見て「自分に自信を持つ」ことが大事なのであり、失敗しても「自分はこうなのだ」と割り切ればいいのだ、と吉越さんは教えてくれるのです。
自分という器は、簡単に大きくできるものでもなく、毎日、会社という「現場」で課題に取り組み、苦しんでいるうちに、その人の器が育っていくものなのです。会社における役割に応じた自分の軸というかスタイルを作っていくしかないのでしょう。
吉越さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・社員には「残業するな」・・といっておきながら、私自身は土曜日も日曜日も自宅で仕事をしていました。ですから、月曜日の朝から社員に対して一斉に仕事を割り振ることができたのです(p66)
・本を仕事に生かす人・・・本当に重要なのは、ひらめきを得た後に汗をかくことであり、99%分の努力をすることです(p74)
・失敗した人をつかまえて罰則を与えることよりももっと重要なことは、「緊急対策」と「再発防止策」を徹底的に検討し、つくり上げることではないでしょうか・・「なぜ、なぜ、なぜ」と突き詰めていけば、自然とたどり着く考え方です(p78)
・抵抗勢力に対しては、自分をコントロールしたうえで、怒りの感情をあえて見せることが駆け引きの一つになります・・場合によっては、目的地の一歩手前のところで折り合うことも、抵抗勢力をかわす一つの方法です(p108)
▼引用は下記の書籍からです。
【私の評価】★★★★☆(87点)
目次
はじめに 私が経営者として、絶対に手放せなかった社員とは?
1章 こんな「考え方」ができる人
2章 こんな「習慣」がある人
3章 この「能力」を持っている人
4章 この「仕事の基本」を守る人
5章 この「要領」をつかんでいる人
6章 こんな「性格」をしている人
7章 こんな「価値観」で動く人
著者経歴
吉越 浩一郎(よしこし こういちろう)・・・1947年生まれ。大学卒業後、メリタジャパンなどを経て1983年にトリンプ・インターナショナル(香港)入社。プロダクトマネジャーなどを経て、86年よりマーケティング本部長。87年代表取締役副社長。92年代表取締役社長。毎朝八時半に開かれる「早朝会議」をはじめ、「ノー残業デー」「がんばるタイム」など、効率重視の経営で、19年連続の増収増益を達成。2006年、予定どおり60歳で社長を退任。吉越事務所を設立。
読んでいただきありがとうございました!
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