「続 人間維新―明治維新百年の変遷」安岡 正篤
2015/03/22公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★☆☆☆(67点)
要約と感想レビュー
安岡 正篤さんは思想家であり、「平成」の元号の発案者と言われています。また、太平洋戦争敗戦の詔勅を添削したことでも有名です。
共産主義勢力に対しては否定的であり、社会主義者の活動家や工作員の活動に警鐘を鳴らしています。共産スパイの一番の大きな目的は、相手国の国策を誤らせることにあると喝破している点は、朝日新聞社記者、内閣嘱託、満鉄調査部嘱託職員を務めたゾルゲをイメージしているのでしょう。
また、共産主義者の平和や平等というもっともらしい方針を掲げて、人を集め、組織化する能力の高さに注意するよう指摘しています。悪党は悪がゆえに、そうしたテクニックを磨き、洗練させているのです。
・悪党はそれを運用して、自分の悪をなす上において、これを守り、これを強化するために、グループやパーティを作ることに本能的にたけておる(p212)
平和は防衛力がなければ達成されないのは当然のことであり、スイスの例を示し、スイスの国防費が高いこと、国を挙げて要塞化していること、国民は16歳から60歳まで国民皆兵制度であることを指摘しています。
日本の政治家にも影響力を持っていたと言われています。人間学を極めようとしていたようです。安岡さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・元来、自然と人間とういものは非常に複雑微妙にできていて、長所と短所は別のものではない。たいていは一つのものであり、表れ方が違うだけである(p37)
・人間は、やはり苦労をして体験を積まなければ、本当の意味の見識・叡智は生じない(p179)
・我々は悪を除くには急進的で、善に対しては保守的でなければならぬ(p210)
・国家の繁栄と偉大とは、その領土や資源や生産よりも、(いずれも大事には相違ないが、それよりも)その能力、精神、風俗に依ることを信ずる(p214)
郷学研修所安岡正篤記念館
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【私の評価】★★☆☆☆(67点)
目次
慎終追遠―前進のための後顧
本来の日本及び日本人へ
明治維新から日清戦争まで
三国干渉から第一次世界大戦まで
第一次世界大戦終結から満州事変まで
満州建国から大東亜戦争へ
第二次世界大戦とその敗北
戦後日本の動向
著者経歴
安岡 正篤(やすおか まさひろ)・・・明治31年大阪市生まれ。大正11年東京帝国大学法学部政治学科卒業。昭和58年12月死去。
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