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「勉強の哲学 来たるべきバカのために」千葉 雅也

2022/01/30公開 更新
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「勉強の哲学 来たるべきバカのために」千葉 雅也


【私の評価】★★☆☆☆(67点)


要約と感想レビュー

 著者は哲学の大学の先生なのですが、「なぜ勉強するのか」ということを考察しています。勉強するとは、新しい知識を得ますので、それまでの自分と変わることになります。著者は、そのことを「ノリが悪くなる」と表現しています。それまで「ノリ」でバカなことをして生きていた人間が、知識を得て、知識に基づいて生きることになるのです。


 勉強するまでの人間は、周囲の人から与えられた常識に基づいて生きています。つまり空気を読んで生きていたのですが、知識を得ることで、そうした不自由からの脱出が可能となるのです。違うバカになるということだと表現しています。当たり前のようなことですが、「ノリ」とか「バカになる」という単語で、新しさを出しているということでしょうか。


 哲学とはこうした禅問答のようなことを考える学問なんだな、と思いつつ、そんな時間があったら勉強したらいいじゃないか、と思ってしまう私は理系だからなのでしょうか。千葉さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・勉強の目的とは、これまでとは違うバカになることなのです。その前段階として、これまでのようなバカができなくなる段階がある(p13)


・では、何のために勉強をするのか?・・それは「自由になる」ためです。・・・それまでの「ノリ」から自由になるのです(p18)


・深く勉強するとは、言語偏重の人になることである(p57)


・自分にどんな享楽的なこだわりがあるのか、その成立史を、年表にしてみる(p156)


▼引用は、この本からです
「勉強の哲学 来たるべきバカのために」千葉 雅也


【私の評価】★★☆☆☆(67点)


目次

第1章 勉強と言語―言語偏重の人になる
第2章 アイロニー、ユーモア、ナンセンス
第3章 決断ではなく中断
第4章 勉強を有限化する技術
結論



著者経歴

 千葉雅也(ちば まさや)・・・1978年栃木県生まれ。東京大学教養学部卒業。パリ第10大学および高等師範学校を経て、東京大学大学院博士課程修了。博士(学術)。現在は立命館大学大学院先端総合学術研究科准教授


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