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「自分の壁を破る人破れない人―運を引き寄せる生き方」渡部昇一

2004/11/17公開 更新
本のソムリエ
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【私の評価】★★★☆☆(74点)


要約と感想レビュー

●今日はおなじみの上智大学教授の
 渡部昇一さんです。


 本の題名からは成功哲学本かな?と
 思いましたが、
 内容は「日本の世の中を見る」
 というようなエッセイでした。


・アメリカの制度は、無能な指揮官はどんどんすげ替え、新しい発明はどんどん採用するという、いたく単純なものだ。これに対して日本はどうだったかと言うと、無能で何も出来ない指揮官でも、首を切ったのでは恥をかかすことになるといって、無理して最後まで使ってしまった。(p79)


●渡部昇一さんの本は、
 日本の誇りを取り戻せ!
 といった論調が多く、
 個人的には好きなものです。


 戦後、70年たって、日本は
 なぜ戦争をしたのか、
 なぜ先人は命をかけたのか
 知る必要があると思うのです。


・植民地になってしまった国の特徴は、国民に国のためなら命を捧げるといった強い意志、国に対する誇りがない場合がほとんどなのである(p77)


●ただ、渡部昇一さんは、
 官僚制度はお嫌いなようです。


 自分も大学教授という競争のない
 世界の住人ではちょっと説得力がないかな、
 と思いました。


・何の競争もなく、何の危機感もないところに、本当の能力を発揮する人が生まれるはずがない。エリートコースに乗った人たちが増えれば増えるほど、組織は停滞してしまうのである。(p136)


●本全体では、「はじめに」が
 一番まとまっていました。


 出版社の担当者が売れそうな名前を
 取って付けたよう本ですが、内容的に
 まずまずまとまっていると思います。


この本で私が共感した名言

・人生でいちばん大事なことは何か、一つあげよと問われたら、私は躊躇なく「できない(やらない)理由を探すな」、と言いたい。(p7)


・当時はすでに落ちぶれ果てていたとはいえ、武士は武士だから、辱められれば相手を殺して自分は腹を切るという覚悟はちゃんと出来ていた。これはやはり外国人の目にはすさまじいものに映ったと思う。(p63)


・アメリカなどでは指揮官が歴史に残るぐらいの大戦績をあげると、その功に報いるため、一時帰国させて休暇を与えたりする。家族と共に過ごして、ゆっくりと鋭気を養いなさいというわけだ。そしてその間、新しい指揮官が部隊を指揮して腕が試されることになるのだが、日本は絶対にそのようなことはやらなかった。(p131)


▼引用は下記の書籍からです。


【私の評価】★★★☆☆(74点)



著者経歴

渡部 昇一(わたなべ しょういち)・・・1930年生まれ。大学卒業後、ドイツ、英国に留学。上智大学講師、助教授、教授を歴任して退職。名誉教授。


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