「人間の真実はパスカル『パンセ』に存在する」渡部 昇一
2017/02/02公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(74点)
要約と感想レビュー
■「パンセ」とは、
ブレーズ・パスカルのメモを
友人たちがまとめた一冊です。
パスカルで有名なのは
「人間は一本の葦にすぎない・・
しかし、それは考える葦である。」
でしょう。
最近ではAI(人口知能)が
研究されていますが、
人間の感情までは再現できません。
・人間の偉大さはどこにあるか・・それは・・「認識」と「思考」ができることです(p53)
■パスカルは科学よりも、
人間というものを
研究しなくてはならないと
考えていたようです。
人間とは何なのか。
思考はどう作られるのか。
神はいるのか。
つまり、もっと人間を研究し、
学校でも人間というものを
教えなくてはならないということです。
・「なぜ、人間(自分)を 知ろうとする人が少ないのか」というパスカルの嘆き・・(p19)
■パスカルのことが
少しわかったように思います。
同時にキリスト教の知識が
不足していることも
よくわかりました。
西欧人は宗教さえも
ロジックで組み上げ、
議論するのですね。
渡部さん、
良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・教会に来る多くの人は教会によく通い、多くの信心行為つまり善行をやれば救いになると思っているがそんなことはないとヤンセンは言う。神の愛がその人の心にあることが救いになるのであると説く(p7)
・人々は真人間になる道は教えられないで、その他のことはすべて教えこまれる(p24)
・神はあるという表のほうを取って、損得をはかってみよう。・・もし勝ったら、きみはすべてをえるのだ。負けても、何もうしないはしない(p78)
・神は、「神の存在」を二つのかたちで私たちにしめしている・・ひとつは「バイブル(聖書)」での直接掲示・・もうひとつが「自然」による間接掲示です(p101)
・デカルトは・・「神は天地創造をしたところで役目を終え、あとは自然にまかせたのだ」と結論づけたのです・・パスカルは、このデカルトの身勝手な思想が許せなかったのでしょう。なぜなら、神より自らの理性を優先させているからです(p106)
・力のない正義は無効であり、正義のない力は圧政である。力のない正義は反抗をまねく・・人は正しいものを強くすることができなかったので、強いものを正しいとしたのである(p133)
▼引用は、この本からです。
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【私の評価】★★★☆☆(74点)
著者経歴
渡部昇一(わたなべ しょういち)・・・1930年、山形県生まれ。上智大学大学院修士課程修了。ドイツ・ミュンスター大学、イギリス・オックスフォード大学留学。Dr.phil.(1958)、Dr.Phil.h.c(1994)。上智大学教授を経て、上智大学名誉教授。その間、フルブライト教授としてアメリカの4州6大学で講義。専門の英語学のみならず幅広い評論活動を展開する。1976年第24回エッセイストクラブ賞受賞。1985年第1回正論大賞受賞。2017年4月17日逝去。享年86。
読んでいただきありがとうございました!
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目次
第1章 人間とは何か
第2章 神の存在を信じること
第3章 哲学する心
第4章 人生の幸福とは何か
ブレーズ・パスカル年譜
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