「国家の崩壊」佐藤 優

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国家の崩壊
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佐藤 優
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■ソ連邦の崩壊の過程を、
 外務省のソ連担当だった佐藤 優さんから
 解説してもらう一冊。

 私も2000年頃、2006年頃に
 旧ソ連圏で仕事をしていましたので、
 プーチンが大統領となる2000年までの
 流れがよくわかりました。

 佐藤さんの神学や歴史の知識を含めて、
 まるで大学の授業を受けているような
 感覚なのです。


・当時のマフィアがやっていたことは、官営工場の払い下げを受けて、
 それを元に儲けていくことですから、創設期の三井と三菱と同じです。
 ・・同時に民間暴力装置もセットしている。マフィア系の政党も
 「ロシアの選択」とかいくつかあるし、院外団もある(p271)


■佐藤さんのすごいことは、
 面白い人間としてソ連の要人とサシで
 情報交換していたこと。

 これは、個人の能力としか
 言いようのないものだと思いますが、
 佐藤さんの著作を読むと、
 その知識量と見識に驚きます。

 現場体験と学術的知識が
 連動し、融合しているのです。


・ローマ法に基づいて社会が運営されますと、合意が拘束する
 ということが基本になるわけです。いったん合意したら、
 それは何があっても守らなくてはならない。・・・けれど、
 止むを得ず合意を破ってしまうことだってあるじゃないか、 
 とロシア人は考えるわけです(p329)


■腐っても国家は守るべき

 これがソ連崩壊から、
 佐藤さんが学んだことです。

 そういう意味では、
 役人支配の国家だとしても、
 国家財政が破綻したとしても、
 日本は天皇の下に一つに
 まとまっているという点では少し安心かも。


 ソ連崩壊の歴史を紐解く
 素晴らしい一冊だと思いました。

 佐藤さん、
 良い本をありがとうございました。


━━━━━━━━━━━━━━━━━


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・国家の崩壊によって・・ソ連領域に生活していた
 一人ひとりの悲惨な物語を目の当たりにして、私は
 国家が悪であるが必要だとの確信を抱くようになった・・・
 私は役人として上司におもねることを止め、
 国益のために自分が正しいと信じることは、
 官僚組織から煙たがられても率直に言うことにした(p28)


・彼らは腐っても鯛なのです・・・彼らはみずからの体制が
 ガタガタになってソ連が崩壊する最後の最後まで、
 世界各国の革命勢力に資金を送り続けていたぐらいですよ・・・
 ソ連共産党を侮ることはできないと思います(p44)


・ロシアでは手を付けちゃいけないものが四つある・・・
 『黒パン(白パンはなくても生きていける)』『ジャガイモ』
 『タバコ』それに『ウォッカ』だよ。この四つのうち二つが
 同時に欠乏することになったら、ロシアでは暴動が起こる(p64)


・弱った権力というのは、粗暴になりがちだから、
 何をやるかわからないということもロシア人は知っている・・・
 「強い軍隊と残虐な軍隊は違う。だいたい弱い軍隊が残虐なんだ
 と、こういうことを言うんです(p229)


・ウズベキスタンというのは、もともとウズベキ語を
 話すトルコ系の部族なんです・・・今のカリモフ大統領は
 サマルカンド出身で、タジク人でありながらウズベク人の
 部族と対立するために、大統領に据えられたんですよ(p139)


・チェチェンには、独特の「血の報復の掟」があるんです・・・
 もし祖先の七代までのうちに殺された人がいたら、誰に 
 殺されたかも同時に暗記させるんです。それで、殺した奴の
 七代前まで報復をしなければいけないのです(p150)


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