「母さんのコロッケ」喜多川 泰

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母さんのコロッケ ~懸命に命をつなぐ、ひとつの家族の物語~

【私の評価】★★★★★(94点)


■年をとると見えてくるものがあります。


 それは、自分を育ててくれた父母
 そしてその上のおじいさん、おばあさんの思い、
 そして、その先・・・
 つまり、自分の先祖への感謝です。


 自分でなしとげたものは何もない。


 遺伝子は先祖から受け継いだものですし、
 価値観は両親からもらっているわけです。


・「私の心はいつまでもお前のそばにいるからな」
 きっと自分のことを見てくれているのだろう
 秀平は星空を仰ぎ見た。(p123)


■この本では、主人公秀平が、
 自分で考え自立できる子供を育てる!
 という理想を持ち、塾を起業します。


 当然、塾はなかなか
 軌道にのりません。


 そうしたなか3人目の
 子供ができるのです。


 仕事と家族。
 そのバランスで悩む秀平は、
 不思議なことに
 夢の中で
 今はなきおじいさん、おばあさんの
 体験を見ます。


 朝鮮からの必死で避難してきた
 おばあさんと母。


 召集令状をもらい
 妻と子供を残して
 戦場へ行くおじいさん。


 みな、子供を守るために、
 命がけで生きてきたのです


生き延びたお前の命は、命を落としたこの国の
 すべての人の希望の光だ
。伸び伸びと生きろ。
 欠点は周囲の人の才能に助けてもらえばいい。
 でも、長所はお前だけのものではない。
 母を助け、家族を助け、
 周囲の人を助けるために使いなさい。(p112)


■「子供が親を育ててくれる」といいますが、
 子供が親の隠れた力を引き出してくれるのでしょう。


 子供への愛と、同じ愛を受けてきた
 自分自身。


 そしてそれをずーっと続けてきてくれた
 ご先祖様。


 そのことを思い出させてくれる一冊でした。


 それにしても喜多川さんは、
 はずれがなくて素晴らしい。天才ですね。


 喜多川さん
 良い本をありがとうございました。


━━━━━━━━━━━━━━━━━


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・塾に来る母親の多くは、目の前の点数のことで
 頭がいっぱいになっている。
 そんな母親でも生まれたばかりの頃は、
 生まれてきてくれただけでありがとう
 という言葉をかけているものだ。(p55)


・子供たちは変わっていないということだ。・・・
 時代に関係なく、子供たちは素直で正直に、
 大人の教えたことに反応してくれる。
 変わったのは大人が子供たちに教える
 価値観の方なのだ(p120)


・その前の世代、つまり君たちが生まれるほんの
 五十年前に生きていた人たちまでは、大げさではなく
 誰もが、明日死ぬかもしれないという過酷な状況の中、
 必死で家族を守るために生きていたんだ。(p182)


・人は自分のためよりも、自分の大切な人のために
 行動するときこそ、自分でも思ってもみなかった力が出る

 確かにその通りだ。(p213)


母さんのコロッケ ~懸命に命をつなぐ、ひとつの家族の物語~
喜多川 泰
大和書房
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【私の評価】★★★★★(94点)


■関連図書 

 「国家の品格」藤原 正彦


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