「運転者 未来を変える過去からの使者」喜多川 泰
2019/04/16公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(96点)
要約と感想レビュー
売れない営業マンと乗り放題タクシー
この本の主人公は、売れない保険の営業マンです。成績不振だからイライラするし、娘が不登校でどうしていいのかわからない。奥さんとの関係も悪くなっていきます。不機嫌な営業マンと契約しようとする人がいるでしょうか?主人公はイライラすることで、自ら成功のチャンスを失っていることに気づいていないのです。
この売れない営業マンは、乗り放題という不思議なタクシーと出会います。そのタクシーは、乗った人の運が良くなる場所に連れていってくれるというのです。ただし、運を良くできるのかどうかは本人しだい。もし、機嫌が悪かったりしたらその運は逃げてしまうという。つまり人生にはチャンスが落ちているのですが、それを捕まえられる可能性が、上機嫌のときに最大になるというのです。
チャンスは誰にでも訪れます。しかし、不機嫌な人はチャンスを逃し、上機嫌な人はチャンスをつかまえる可能性が高まるのです。そうした人生の法則を教えてくれるのが、不思議なタクシー運転手なのです。世の中の多くの不機嫌な人が、自分が引き寄せているのに『幸せになれないなぁ』って悩んでいます。本人は気づいてないだけなのでしょう。
機嫌が悪いと、運が逃げる(p55)
真のプラス思考とは
そしてタクシードライバーは売れない営業マンに、「運はいいか悪いかではありません。使う・貯めるものであること」を教えます。つまり、運とは少しずつ貯めて、ある程度貯まったら使うことができるものだということです。運とは徳のようなものなのでしょうか。そして私たちは最大百年ばかり生きて、運を貯めて、運を使って死んでいきます。そして使い切れない運は、次の世代に残されるのです。
おじいさんの苦労を見て、父が頑張った。父の頑張りを見て、子どもが努力するということがあるはずなのです。自分の人生という物語が、次の世代につながって行くということなのです。タクシー運転手の「あなたがその物語に登場したときよりも、少しでも多くの恩恵を残してこの物語を去る。つまり、あなたが生きたことで、少しプラスになる。それこそが真のプラス思考じゃないか」という言葉に震えました。
運を貯める方法ってないのかよ・・ありますよ・・・誰かの幸せのために自分の時間を使うんです(p133)
未来を変えるタクシー
突然、タクシー運転手が現れるのは設定に無理がある!と思いながら、読み切りました。未来を変えるタクシーメーターを子孫のために残しておくというこの設定はズルいですよ、喜多川さん!泣かされました。
いつもながらの名作に仕上がっています。喜多川さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・ずっと続けていると身体がギター仕様に変わるんですよ・・・人間の身体って、ひとつのことをずっと続けているとそれをやるのに適した仕様に変わっていくんですよ。これってすごくないですか(p114)
・世の中は誰かが頑張る姿からもらったエネルギーの集合体なんですよ・・・たとえば娘の頑張る姿を見て『俺も頑張らないと』って思って大変なことも乗り越えるエネルギーをもらってる(p167)
▼引用は下記の書籍からです。
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【私の評価】★★★★★(96点)
目次
プロローグ
デッドライン
運転手
ポイントカード
幸せの種
TAXI
すべての努力は報われるか
蕎麦の味
実際あるけど、絶対ない
最後のレッスン
第二の人生
新しいスタート
エピローグ
著者経歴
喜多川 泰(きたがわ やすし)・・・1970年生まれ。東京学芸大学卒業後、塾を経営。高校生を中心に英語を教える一方、授業に自己啓発を取り入れるべく研究を続け、執筆活動を開始。
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