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【書評】「いただきます。 人生が変わる「守衛室の師匠」の教え」喜多川泰

2025/12/04公開 更新
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「いただきます。 人生が変わる「守衛室の師匠」の教え」喜多川泰


【私の評価】★★★★★(95点)


要約と感想レビュー


もっと楽して稼げる仕事

主人公の翔馬は、19歳高卒のフリーターです。バイトをしても続かないし、やる気もない。普通のお兄ちゃんです。


主人公の友人の口癖は、「もっと楽して稼げる仕事ねえかな」です。母子家庭なのでお金がないこともあり、主人公は遊ぶかねほしさに警備員のバイトをはじめます。もちろん楽に稼げるからです。


前任者は「騙されるな。こんなとこ辞めて、もっと楽しく稼ぎたくなったら俺に連絡してきな」と言って、去っていきました。「騙されるな」の意味がわかりませんでしたが、「楽に稼げる」を魅力に感じる主人公なのでした。


遊ぶ金が尽きている・・仲間内で集まると,バイクや車が欲しいとか,どの車がいいなんて話題ばかりで,ほとんどの奴が向こう数カ月以内にローンを組んで目当ての車を買おうとしている(p37)

学生の安全を守る素晴らしい仕事

大学の警備員のバイトは、おじさんが多いのです。


主人公が「こいつら、大学で勉強して楽しいんですかね」と言うと、同僚のおじさんは、「学生さん」と言いましょうと叱られます。せっかく学生さんの安全安心を守る素晴らしい仕事をしているのに,自分の仕事を貶めてることになるというのです。


主人公は、給与も安くて誰でもできる簡単な仕事を「素晴らしい仕事」と呼ぶおじさんを「お人よし爺さん」と名付けるのでした。


そんなとき、ラーメン屋でバイトしている「もっと楽して稼げる仕事ねえかな」が口癖の友人が、自分が作ったラーメンを試食してくれないかと言うのです。どうやら、自分でラーメンを作れるようになって、将来は店を持ちたいようなのです。楽じゃないけど将来につながりそうな仕事に打ち込む友人に、少し裏切られたような気持ちになる主人公なのでした。


店長が・・「俺らの仕事は,ラーメンを通じて食べる人を幸せにするのが仕事だ」って言うんだよ(p51)

誰だって人生を賭けたものを持っている

主人公は「お人よし爺さん」に、歓迎会を開いてもらいました。出迎えてくれたのは日産GT-R。なんと「お人よし爺さん」は車関係の仕事をしていて、趣味でカートやレースに出ていたというのです。


そして歓迎会の会場はクルーザーで、魚を釣ってみんなで食べるというもの。もう一人の「お人よし爺さん」は元漁師でクルーザーの面倒を見ることで、友人からいつでも借りられるのだという。自分もこんなふうになりたい!と主人公は思うのです。


「お人よし爺さん」は誰だって,何かしら一つは人生を賭けてできるようになったものを持っているというのです。人はそれを使って誰かを幸せにしながら、生きているというわけです。


心の中の何かが震えるのがわかった。「自分もそんなふうになりたい」(p82)

自分にしかないこれというもの

主人公は「お人よし爺さん」たちのように、自分も何か人生を通じて自分にしかない「これ」というものを手に入れたいと思いました。しかし、その「これ」が何なのかわからないのです。主人公は「お人よし爺さん」に質問するのです。自分にしかない「これ」というものを手に入れる方法を。


「お人よし爺さん」の答えは、なんの仕事でも最初は「これ洗って」と誰でもできる仕事が与えられる。その仕事をどうやるかで,「これ」が手に入るかどうか決まるというのです。つまり、「お人よし爺さん」は、誰でもできることを,誰でもできないところまでやることが「その人にしかできないこと」だというのです。


主人公は「そんな誰でもできる仕事なんかやりたくない」「まじめにやっても損じゃないか」と思います。前任者が言うように本当に自分は騙されているのか。


世の中には一生懸命仕事をしても、会社にいいように利用されるだけ、適当にやっていればいいと主張する人たちがいます。どちらが正しいのでしょうか。あなたは知っているはずです。


自分の金儲けのために働くのか、人を幸せにするために働くのか。この本は問いかけてきます。文句なく★5とします。喜多川さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・自分は「未来の誰かの幸せのために働こう」なんて思ったことはなかった。ずっと考えていたのは「今の自分のお金のために」だ・・結果として,自分は幸せだなんて思ったことは一度もなかった(p265)


・一流の人っていうのは,他の人と同じ,教われば誰だってできることを続けていく中で,常にその人にしかできないレベルまでやり続けた人のことを言うんじゃないかな(p122)


・使ったものはちゃんと元に戻す・・漁師時代の癖かな・・一旦外に出たら基本的に誰も助けちゃくれないんだよ・・必要なものがいつもの場所にない・・・ほんの数秒の差が命取りになる(p135)


・「それくらい」とか「そんなの滅多に起こらない」っているのが一番危ない。長年やっているとだんだんわかってくる(p135)


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喜多川泰(著)、ディスカヴァー・トゥエンティワン


【私の評価】★★★★★(95点)


目次


新天地へ
ギンガムくんとゾウちゃん
輝ける場所
弁当は妄想の入り口
自分にしかできないこと
本当の優しさ、本当の強さ
魚との約束
いただいたもの
学び舎
未来の誰かの幸せのために
暁光
はじまり


著者経歴


喜多川 泰 (きたがわ やすし)・・・1970年生まれ。愛媛県出身。東京学芸大学卒業後、1998年横浜市に学習塾「聡明舎」を設立。高校生を中心に英語を教える一方、授業に自己啓発を取り入れるべく研究を続け、2005年から執筆活動を開始。国内にとどまらず、海外でも人気。


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