「ザ・ラストバンカー 西川善文回顧録」西川 善文

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ザ・ラストバンカー 西川善文回顧録 (講談社文庫)

【私の評価】★★★★★(92点)


■住友銀行において、
 不良債権処理を担当し、
 頭取として大合併による
 三井住友銀行を作った男。


 そして、大腸がんをわずらいながら、
 郵政事業の民営化を
 指揮した男が西川氏です。


 生粋の事業再生人であることが
 わかります。


・まさに戦場のような経済状況のなかで、銀行の
 役割の一つは野戦病院であると私は考えていた。
 完璧な治療はできないかもしれないが、
 膿を出し、傷口をふさぎ、骨を接いで
 企業が再び戦えるように荒療治を施していく(p160)


■大企業の中には、
 無難にいく人が出世する会社もあるようですが、
 住友銀行はちがったようです。


 思い切った決断をする人が
 抜擢される傾向があるように
 感じました。


 そうした風土が西川氏を育て、
 トップにまで引き上げる
 ことになったのでしょう。


・結論を明快にせず無難なレポートをまとめる優等生は、
 その後見事なくらい出世していない。
 支店長や部長どまりで役員にはなれなかった。(p45)


■それにしても郵政事業の民営化は、
 政治に振り回された状況がよくわかります。


 普通の民間企業としたいグループと、
 いままでどおり官業として
 まったりしたいグループでは、
 絶対に合わないわけです。


 官業もだいぶ減ってきましたので、
 最後に残るのは本物の官僚組織と特殊法人
 なのかもしれません。


 西川さん、良い仕事と
 良い本をありがとうございました。


━━━━━━━━━━━━━━━━━


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・東日本大震災と福島原発事故によって、
 現代は未曾有の危機の時代だと
 言われることが多い・・
 実は日本はずっと危機の時代にいたのだ(p4)


・重要だったのが経営者の資質や経営のやり方だった。
 それを私たちは「仕振り」と呼んでいた。
 「この会社は仕振りがよくないね」
 などと言ったものだ(p43)


・益出しをやめて、赤字決算にするしかないと
 判断した・・・当時は市場に与える影響が
 どれほどのものになるのか想像もできず、
 タブー中のタブーだった(p140)


・私が最も力を入れているのは、
 業務運営における「スピードの重視」だった。
 ・・・スピードとは他のどんな付加価値よりも
 高い付加価値だ(p187)


・いまだに財界活動がお好きな経営者が多いが、
 いまどき財界内の仲間だけで話をしていったい
 何の意味があるというのか。・・・経団連は
 もはや無用の長物だと私は思っている(p211)


・郵政公社も日本郵政も始業時間は九時半・・・
 郵政は直接にお客様と接する仕事であり、これを
 放置していたら「どちらに顔を向けて仕事をしているのだ」
 と批判されて当然である。(p230)


・「丸投げ体質」による調達のムダ・・・
 「業務要件の定義」があいまいだということだ。・・・
 発注内容を詳細に詰め切れていないのである。(p240)


・ユニフォームの調達でも郵政公社と民間事業者の
 間に挟まる形でファミリー企業があり、 
 コストを膨らませる一因になっていた。(p243)


・(鳩山)大臣は「こんな立派な国民の財産をオリックスに安値で
 譲渡しようとしている」と声を荒げたのである。・・・
 そもそもかんぽの宿の譲渡案件は、不動産売却ではなく、
 従業員の雇用確保も含めた「事業譲渡」なのである。


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西川 善文
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【私の評価】★★★★★(92点)



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