●著者紹介・・・藤原 雅彦
1943年生まれ。東京大学理学部数学科、同大学院修士課程
修了。コロラド大学助教授を経て、お茶の水女子大学理学部教授。
●アメリカのコロラド大学で3年間教え、
イギリスのケンブリッジ大学で一年暮らした著者が気付いたのは、
日本の世界に誇るべき「情緒と形」を重要視する文化です。
・お茶を考えても、イギリスではみんなマグカップにどぼどぼ
注いでガブ飲みする。しかし日本では、茶道というものに
してしまう。(p98)
●グローバルスタンダードという名の下に、
経済のアメリカ化が進みましたが、著者は懐疑的です。
・市場経済が進んだ結果、日本でも貧富の差が大きくなりました。
行く行くは現在のアメリカのように、上位1%の人が国富の
半分近くを占有するようになるかもしれません。(p29)
●著者の提言は次のとおりです。
・アメリカの植民地状態からの独立
・食料自給率の向上
・金銭主義ではなく道徳主義
・田園の保持
●講演をベースに作られているので非常に楽しく
日本の誇りを鼓舞してくれる内容となっています。
ただ、提言において不明確なところがあると感じましたので、
少し減点して★4つとしました。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・満州事変から大東亜戦争にかけて、国民はもちろん、朝日新聞を
はじめとする新聞も、ほとんどが軍国主義を支持しました。
(p79)
・「平等」の旗手アメリカこそは、起業経営者の平均年収が
約13億円で、一般労働者のそれが約300万円(2004年)
の国なのです。3500万人もの人々が貧困のため医療さえ
受けられない国なのです。(p91)
・国際社会というのはオーケストラみたいなものです。・・・
日本人は日本人のように思い、考え、行動して初めて国際社会の
場で価値を持つ。(p147)
「国家の品格」藤原 雅彦、新潮社(2005/11) ¥714
(私の評価:★★★★☆:買いましょう。素晴らしい本です)88点
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