「この国のけじめ」藤原 正彦
2006/11/08公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★☆☆☆(68点)
●作家の新田次郎の次男である
藤原正彦教授のエッセー集です
藤原さんは米国でも研究されていましたので、
日本の良い点、悪い点がよく見えるようです。
・戦略なき国家・・・「民主主義は最悪の制度だ。
いままでのどんなものよりもましというだけだ」
と言ったのはチャーチル元英国首相だが、
近ごろこの言葉が身にしみる。(p92)
●藤原さんの基本的考え方は、
日本固有の武士道精神の素晴らしさ、
そして武士道精神が失われつつある
ということへの警鐘です。
欧米化の傾向にある現在の日本に
危機感を持っておられるのでしょう。
・ほとんどの学生はアルバイトをしている。・・・
アルバイトで多大な時間をつぶし、
遊びでまた多大な時間をつぶす。
二重の無駄である。
学生は「社会勉強になる」などと言うが、
私は「社会勉強など金輪際必要ない。
学校を出たら否応なく一生社会勉強だ」
と答える。(p135)
●学者だから好きなことが言えるということもあるでしょうが、
正論というのも聞いておく価値があると思います。
以前から「ゆとり教育」を批判していた
藤原さんの正論に、★2つとしました。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・2003年4月から翌年3月にかけては25兆円という、
対米黒字の二倍以上の米国国債を
我が国は購入している。(p22)
・カナダ人学者がこう指摘した。
「ロシア軍は、日本や日本軍に関して無知なまま戦い、
太平洋艦隊とバルチック艦隊を失い、
ついにはロマノフ王朝の崩壊につながる・・(p48)
・北満州に残された開拓民二十七万名の運命は、
苦難というより悲劇だった。
野獣の如きソ連兵による虐殺、略奪、強姦は
恐るべきものだった。・・・
父親が泣きながらわが子そして妻を撃ち、
最後に自らの命を絶つ、
というような光景が随所に見られたという。(p182)
▼引用は、この本からです。
文藝春秋
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【私の評価】★★☆☆☆(68点)
■著者経歴・・・藤原 正彦(こむろ まさひこ)
1943年生まれ。新田次郎、藤原てい夫妻の次男。
東京大学理学部卒、修士課程修了。
現在、お茶の水女子大学理学部教授。
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