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「日本人の誇り」藤原正彦

2015/08/20公開 更新
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日本人の誇り (文春新書)


【私の評価】★★★★☆(81点)


要約と感想レビュー

 藤原さんの「日本人の誇り」は、戦前の日本人が持っていた誇りです。アジア諸国が欧米の植民地となる中で、国家の独立を維持し続け、欧米諸国に挑戦したのは日本だけでした。結果して日本は戦争に敗れましたが、その自主独立の志に影響され、その後、多くのアジア諸国が植民地から独立したのです。


 中国共産党や日本の共産主義者は、日本軍と国民政府軍を戦わせて弱体化させることで、ソ連が満州へ侵攻しやすくさせるというスターリンの戦略にしたがって工作活動を行っていました。昭和の初め頃から、中国共産党は、日本軍人や日本人居留民を虐殺するなど挑発を続けていたのです。現在の尖閣諸島の状況は、まだましなほうなのでしょう。

 盧溝橋事件の前には、中国では大紅門事件、廊坊事件、広安門事件などといった日本兵殺害事件や、日本人経営の商店や工場が襲われる事件が頻発していたのです。ました。1937年には、中国兵三千名が北京近郊通州の日本人居留民を襲い、婦女子を含む230名を虐殺しました。女性を強姦したうえ死体に凌辱を加え、喫茶店の女子店員の生首をテーブルの上に並べ、殺した子供の鼻に針金の鼻輪を通すなど現在のロシアのようなことをやっていたのです。


 尾崎などの工作員が浸透していた「朝日新聞」「中央公論」「改造」などのマスコミも、日中戦争は蒋介石を倒すまで徹底的にやるべしとで主張し、また近衛首相をその方向に向けさせる工作活動を続けていたのです。現代社会でも同じことが行われているのでしょう。


・帝国主義の荒波の中で、日本人はそれぞれの時代の最強国ロシアそしてアメリカに、独立自尊を賭け身を挺して挑むという民族の高貴な決意を示しました(p229)


 そして戦後のGHQの占領政策は、そうした戦前の日本の誇りを消滅させるための取り組みでした。その仕組みとして、報道の検閲、教育基本法制定、新憲法による戦争放棄、マスコミ、教育界、歴史学会へ同調する考えを持った人を配置したのです。


 日本の軍人は、戦場で父母を思い、祖国に平和の訪れることを願いつつ祖国防衛のために戦いました。それが、「日本がすべて悪かった。日本軍人は国民を欺いて戦争に導いた極悪人だ」という洗脳教育が行われ、現在でも大多数の国民がまだ解き放たれていないのです。国のために戦った人は忘れ去られ、生き残った者は人殺しのごとく非難されるという国となってしまったのです。マスコミと教育界の動きを見ていると、現在もそのシステムは、機能しているとわかります。


・GHQが種をまき、日教組が大きく育てた「国家自己崩壊システム」は今もなお機能しています。特に教育界、歴史学界、マスコミ・・・東京裁判への批判、新憲法の批判(p83)


 歴史を振り返ると、マスコミに誘導された世論が、すべて正しくはないと感じました。マスコミと市民活動を通じて世論を誘導するのが、プロパガンダだからです。藤原さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

日本国政府は条件降伏、軍隊は無条件降伏、というのが正しい内容であり、すべて無条件降伏のドイツとはまったく違います。にもかかわらずアメリカはポツダム宣言をふみにじり、あたかも全面無条件降伏したかのごとく傍若無人な振舞いをしました(p72)


・「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」と美しく飾ってみても、残念なことに「国益のみを愛する諸国民の権謀術数と卑劣に警戒して」が、現実なのです(p63)


日本人の誇り (文春新書)
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藤原 正彦
文藝春秋
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【私の評価】★★★★☆(81点)


目次

第1章 政治もモラルもなぜ崩壊したか
第2章 すばらしき日本文明
第3章 祖国への誇り
第4章 対中戦争の真実
第5章 「昭和史」ではわからない
第6章 日米戦争の語られざる本質
第7章 大敗北と大殊勲と
第8章 日本をとり戻すために



著者経歴

 藤原正彦(ふじわら まさひこ)・・・1943(昭和18)年、旧満州新京生れ。東京大学理学部数学科大学院修士課程修了。お茶の水女子大学名誉教授。1978年、数学者の視点から眺めた清新な留学記『若き数学者のアメリカ』で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞、ユーモアと知性に根ざした独自の随筆スタイルを確立する。


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