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「洗脳経済 150年の呪縛」苫米地 英人

2022/08/15公開 更新
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「洗脳経済 150年の呪縛」苫米地 英人


【私の評価】★★★☆☆(78点)


要約と感想レビュー

 私たちは資本主義社会に生きていますが、資本主義とはお金を基本とした経済体制です。お金を稼ぐ組織は企業として組織され、その中で多くの会社員が働いています。会社員は給料を稼ぐためだったり、組織の中で出世するために一生懸命働いています。


 実は、これは新興宗教も同じことをしており、組織化して、その中で出世を目指すように誘導し、新しい信者を勧誘し、人生と財産を寄付させるように誘導しているのです。新興宗教のこうしたシステムを洗脳と呼ぶのならば、資本主義社会のエンジンである企業も会社員を出世街道という洗脳を通じて、働かせ、奴隷化しているとも言えるのでしょう。


・人間の順位を決めることは、人間を洗脳し、奴隷化する技術・・・カルトでは、頂点と最底辺との間に細かい階層をつくり、身分を分けていくことを基本にしています(p83)


 そして更に、その企業を所有しているのが、株主という名の資本家です。資本家という支配層は、株式という仕組みを通じて、世界の企業を所有しています。そして株式配当という形で、お金を吸い上げるのです。


 さらに上のレベルで考えてみれば、米ドルを発行しているのはFRBであり、FRBにも株主がいます。FRBの株主はヨーロッパの個人銀行なのです。したがって、FRBが公定歩合によって米ドルの一定割合のお金を吸い上げ、それはヨーロッパの銀行への利払いに使われるのです。


・金持ちの支配層は、すでに世界の富の99.99%をすでに押さえています・・・彼らは消費行動をコントロールし、彼らが世界に敷いたシステムを維持するために、人間の思考そのものを支配下に置きたいのです(p203)


 このように資本主義社会というものは、通貨という道具を通じてすべてを交換する仕組みであり、私たちはお金に依存するように洗脳されています。すべての価値をお金に置き換えるように洗脳されているのです。


 著者がこうした洗脳から逃れるためにお勧めしているのは、消費をコントロールすることです。きれいな高級レストランで食事をしようと考えた時、本当にそれが必要なのか、よく考えることです。手作りの料理のほうが、精神的にも豊かになれるのではないか。金を使うことで満足するようになっていたとしたら、洗脳されている可能性が高いのです。


 支配される側に立つのか、支配する側に立つのか、と著者が問いかけているのだと思いました。お金とは何なのか、よくよく考えてみたいと思います。苫米地さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・戦後占領下の日本で、GHQがWGIP(War Guilt Information Program)を徹底的に推し進め、日本人に戦争犯罪人として罪の心をこれでもかと刻み込んだことは、公文書として残っている事実です(p23)


・実際、政権交代を目指す薩長勢力にはイギリスが、政権維持を目論む幕府勢力にはフランスが、潤沢な資金を提供していました(p30)


・中央省庁のなかでも、とくに警察庁と防衛省は、薩長の牙城です(p33)


・高性能の火薬・・1樽につき、娘50人・・鉄砲隊のガンパウダーは、日本人の若い女性を海外に売ることで調達したのです(p80)


▼引用は、この本からです
「洗脳経済 150年の呪縛」苫米地 英人
苫米地 英人、ビジネス社


【私の評価】★★★☆☆(78点)


目次

第1章 日本人にかけられたヒルガードの洗脳
第2章 みそがれた階級
第3章 マネー経済の奴隷
第4章 経済で行われる洗脳テクニック
第5章 経済洗脳から自由になる方法



著者経歴

 苫米地英人(とまべち ひでと)・・・1959年、東京都生まれ。認知科学者、計算機科学者、カーネギーメロン大学博士(Ph.D)、カーネギーメロン大学CyLab兼任フェロー。聖マウリッィオ・ラザロ騎士団ナイトグランドクロス(大十字騎士、Grand Cr.)マサチューセッツ大学コミュニケーション学部を経て上智大学外国語学部卒業後、三菱地所にて2年間勤務し、イェール大学大学院計算機科学科並びに人工知能研究所にフルブライト留学。その後、コンピュータ科学の世界最高峰として知られるカーネギーメロン大学大学院に転入。計算言語学で博士を取得


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