「まずは、「信じる」ことをやめなさい ~脳、宗教、歴史からわかった人を操る「サイン」の秘密! 騙されずにこの時代を勝ち抜くただ一つの方法」苫米地英人
2013/08/19公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(80点)
要約と感想レビュー
洗脳の専門家による「幸福論」です。前半は、現代社会がいかに洗脳、世論操作が行われているかという話がずーっと続きます。
資本が経済を支配する仕組み。銀行が企業を支配する仕組み。企業が社員を支配する仕組み。役人が国民を支配する仕組みなどです。国家にしろ、宗教にしろ、企業にしろ、その組織の秩序を維持するため仕組みがあるのです。
例えば私たちは戒名をもらいますが、これは仏教による「仏弟子にならないと地獄に落ちるぞ」という洗脳によってお金を払う仕組みなのです。
・たとえば陸運局(地方運輸局)等で登録変更を行い、ナンバーを変えるときも、・・・陸運局の職員のためにわざわざ出向いて彼らの仕事をつくり、彼らの生活のためにお金を与えているわけです(p182)
この人は何を言いたいんだろう・・・と読んでいったら、本当の幸せとは、「自分で選ぶ」ということでした。
人を支配するための仕組みが構築されている今の社会においては、そうした仕組みがあることをしっかり認識し、自分のための選択をする必要があるということです。
なるほど、それでずーっつと世の中の洗脳の仕組みを説明していたのですね。
・支配する側が、支配のために利用するものは、つねに恐怖です・・・各地の神社仏閣には地獄堂というものが併設されていました・・・虚構である宗教が、虚構である恐怖を煽るのです(p139)
この本で注意しているのは、幸せを求める人やお金を求める人がが、まっさきに詐欺にあうということです。例えば幸せな老後を求める人がいるとすれば、「じゃあ、年金保険料の引き上げる」ということになってしまうのです。求めるほど逃げていくというのは、恋人との関係のようですね。
自分の幸福のために、自分が選択をしていく。当たり前のようなことですが、人から支配されないよう、自分の選択を自分で支配していきたいものです。苫米地さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・キリスト教はその後、時代を経るにつれて、イエス・キリストの教えとは異なるものに変質していきます。バチカンが教会の権威をかざしたり、「免罪符」を出したり・・・教会は信徒に献金を求め、あるいは組織的に修道院がつくられていくわけです(p113)
・明治政府は、大がかりな仕掛けを用意しました。日本神道という、人工的に構築された宗教の仕掛けです(p20)
・儒教の思想がいまだに色濃く残るお隣の韓国では・・・年齢による上下関係は絶対に守らなければならず、目上の人に反論してはならない・・(p154)
・国のいうことを聞き、秩序を求め、税金を納める・・・私たちは、資本主義という宗教を信じる証として、税金を巨大金融資本の支配者たちの生活のために献金している(p179)
・「あいまいな報酬」・・・報酬が多くなったり少なくなったりのように決まりがないと、人はそれを飽きずにやり続けるという理論です。最もわかりやすい例は、パチンコでしょう。(p89)
▼引用は下記の書籍からです。
泰文堂
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【私の評価】★★★★☆(80点)
目次
第1章 信じる者は救われない―日本人にかけられた洗脳と救い
第2章 なぜ人は「サイン」を求めるのか?―何が騙しの正体か
第3章 幸福を得るための「他力と自力」―信仰から自由になるために
第4章 恐怖のアンカーを外せば、自分は変えられる―恐怖から脱洗脳する技術
第5章 イズム―国家は自作自演で国民を騙す
第6章 新しい時代を生き抜く「本当の幸福」―幸せはもはや必要ない
著者経歴
苫米地 英人(とまべち ひでと)・・・1959年生まれ。三菱地所を経て、イェール大学大学院に留学。人工知能の父といわれるロジャー・シャンクに学ぶ。同認知科学研究所、同人口知能研究所を経て、カーネギーメロン大学大学院で音声通訳システムを開発。徳島大学助教授、ジャストシステム基礎研究所所長などを歴任。ドクター苫米地ワークス代表。コグニティブリサーチラボCEO。
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