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「朝鮮通信使の真実 江戸から現代まで続く侮日・反日の原点」石平

2022/02/24公開 更新
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「朝鮮通信使の真実 江戸から現代まで続く侮日・反日の原点」石平


【私の評価】★★★★☆(87点)


要約と感想レビュー

 いつもは中国を批判している石平氏ですが、今回は朝鮮通信使という歴史を紐解いて韓国人の精神構造について分析した一冊です。朝鮮通信使とは、江戸時代の1607年から1811年まで12回にわたって朝鮮王朝から徳川幕府に送られた外交使節団のことです。タイミングとしては秀吉による朝鮮出兵の直後であり、形としては連行された朝鮮人の送還を求めていますので、戦後処理の交渉から朝鮮通信使ははじまっているのです。


 不思議なのはその後200年にわたって12回も朝鮮使節団が日本に派遣されているのに、日本から朝鮮には派遣していないことです。朝鮮通信使の派遣の名目は、将軍襲職の祝賀というものが多く、派遣された通信使は将軍に対して「四度半の礼」という主君に対する臣下の拝礼を行なっています。さらに朝鮮使節団の礼品を見ると、中国皇帝に捧げた朝貢品に似ていることから、石平氏は朝鮮使節団は実質的には日本国に対する朝貢使節であったと分析しています。


・朝鮮はまず、1602年に二人の使者を対馬に派遣した・・・日本に連行された朝鮮人の送還を強く求め・・・対馬は逆に、日本の中央政権に使節を派遣することを朝鮮に求めた(p33)


 面白いのは朝鮮通信使が、日本人は人間のように見えるが、行動は犬や豚のようだと、日本人のことを罵倒していることです。日本から至れり尽くせりの接待を受けながら、わざわざ「日本訪問記」で日本人の悪口を書き続け、日本人を貶めているのです。例えば、日本人女性は歯を染めているのは夫に対する心の誓いと説明しながら、日本の女性は淫らで獣と変わらない、醜さの極め付けであるとしているのです。


 また、朝鮮通信使は大阪や江戸の街を見て、朝鮮を圧倒する豪華絢爛たる建築物と街が発展していることに衝撃を受けています。それでも日本の風景や街並みを、財力で豪華にしていても、むしろ財力を誇ることは恥知らずで過ちではないかなどと否定的に表現しているところが精一杯の抵抗なのです。


 このように獣のような日本人に朝鮮の文化を教えてやろうという上から目線で日本へやってきた朝鮮通信使ですが、どうして日本を罵倒、否定、侮蔑するのでしょうか?石平氏の分析では、文化的に遅れている日本の将軍に対し、主君として挨拶をすることさえ悔しいのに、そうせざるをえない自分の役回りに苦しんでいるということです。さらに日本に行ってみると日本のほうが豊かで格式が高い現実を直視することとなり、その精神的な混乱を、日本人への侮蔑、罵倒、否定でなんとか自尊心を維持しているのだろうと推測しています。野獣のような日本人に、あえて礼を示してやっていると考えなければ、精神的に耐えられないのです。


・朝鮮王朝は自分たちの日本との関係を「交隣(こうりん)」と呼ぶ・・・上目線からの「付き合ってやる」という意味合いのものである(p78)


 このように矛盾だらけの主張を堂々と公の場で発言・記録し、相手を罵倒、侮辱して表面的には自尊心を満たすという行動様式は、現代の韓国とまったく同じだと感じました。例えば、韓国軍の自衛隊哨戒機へのレーダー照射事件でも、最終的には韓国は謝るどころか、哨戒機が危険な行動を取ったという軍事関係者でなくとも嘘・非常識とわかる理由をつけて、逆に自衛隊を批判しています。また、韓国の国際観艦式では、韓国側が海上自衛隊に対し旭日旗を掲げないよう要求する非常識さも、相手の足を引っ張ろうという精神的な構造も変わらないのです。


 日本人から見ると潔くないだけでなく、真実を直視しないため進歩の余地がないどうしようもない人間に見えてしまうのですが、相手を侮辱して自己満足する精神構造を日本人が理解することは不可能に近いのではないでしょうか。著者の石平氏も韓国人のこうした精神構造は理解できないようです。私も石平氏ももう少し修業が必要なようです。


 石さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・徳川幕府は・・使節団を派遣した痕跡はない・・・室町幕府の足利政権は実は六十回以上にわたって朝鮮に「日本国王使」使節を送った(p24)


・日本こそは例外であるが、朝鮮通信使が派遣されたその時代、朝鮮や琉球、あるいはベトナムの王朝が、最初は中国の明王朝、その後は清王朝に対してまさに「臣下」の礼をとって朝貢の使節を派遣し続けた(p40)


・朝鮮通信使の三使臣が将軍に向かって「四度半の礼」を拝礼したことは大変重要なポイントである。「四度半の礼」は普通、主君に対する臣下の拝礼である(p45)


・第7回目の通信使節団の一員である洪禹載はまた、「面目は人間であっても、行ないは犬と豚の如く」といって日本人のことを評している(p136)


・当時の朝鮮王朝の首都であるソウル(漢城)は、王宮から一歩を出れば茅葺の貧相な民家が連なるような風景と比べれば、ここで描かれた大阪の町並みはまさに次元の違った別世界だったのであろう(p88)


・日本罵倒と日本侮辱を行う以外に、自分たちの自尊心もアイデンティティも守れないこの人たちは一体、どれほど哀れで惨めな人たちなのか(p8)


▼引用は、この本からです
「朝鮮通信使の真実 江戸から現代まで続く侮日・反日の原点」石平
石平、ワック


【私の評価】★★★★☆(87点)


目次

第1章 朝鮮通信使は事実上の朝貢使節だった
第2章 朝鮮知識人の哀れな「精神的勝利法」
第3章 「日本コンプレックス」の塊だった通信使たち



著者紹介

 石平(せき へい)・・・評論家。1962年、中国四川省成都生まれ。北京大学哲学部卒業。四川大学哲学部講師を経て、1988年に来日。1995年、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関に勤務ののち、評論活動へ。2007年、日本に帰化する


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