「新時代の堅実なお金の増やし方」小宮 一慶
2021/12/14公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(78点)
要約と感想レビュー
経営コンサルタントの小宮さんからお金の増やし方を教えてもらいましょう。小宮さんの目指すところは、大金持ちではありません。他人に迷惑をかけず、幸せに暮らせるならそれで十分という小金持ちを目指します。まず、お金を増やすためには投資をするということになりますが、投資は余裕資金で行います。余裕資金なら、もし投資に失敗してゼロになっても最低限、生きていくことはできるようにしておくのです。
では、投資のためのタネ銭をどうやって稼ぐのか。著者のお勧めは2つあって、給与の高い会社に転職すること、それが無理ならメチャクチャ働くこと。忙しいとお金を使う暇がなくなるのでお金が貯まるのです。
・1250万円貯める稼ぎ方・・・給料の高い企業に就職、あるいは転職する・・・メチャクチャ忙しく働けばいいのです(p63)
タネ銭ができたとしましょう。この本では主に株式投資についての考え方を教えてくれます。著者のお勧めは少額で株式を実際に買ってみるということです。実際に買ってみると、買うまで悩むし、買ってからも価格の上下に感情が動きます。
世の中にはリスクに弱い人がいて、リスクの大きさによっては夜も眠れなくなって、病気になってしまうこともありえるのです。そうやって少額で株を買ってみることで、相場観ができてきます。また、株式投資をもっと勉強しようという気持ちが強くなってくるようでなければ、株式投資でうまくいく可能性は低いのでしょう。
・相場観を養うためには、実際に株を買うことが大事になりますが、金額は絶対に少額から始めてください(p48)
余裕資金で投資すること。暴落のときこそ、株のバーゲンセール。長期保有するなど、常識的な内容でした。その一方で、大金持ちになる必要はない。お金も時間も使うもの、という著者の気楽な人生観がさわやかに感じました。
著者はコンサルタントとして起業したときも、3年でだめならサラリーマンに戻ると決めていました。そう考えると、リスクは極めて限定しているということです。投資して儲かればうれしいし、投資して失敗しても楽しく生きていく。どちらでも自分の人生は楽しい選択なのだ、といことなのです。小宮さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・株式相場のバーゲンセールに備えて、普段から投資先企業選びを継続して行っておくことが大切です(p168)
・みんなが恐怖心を抱いているときに買い、みんなが楽観しているときに買う(ウォーレン・バフェット)(p45)
・配当利回りが3%以上の企業を選ぶようにしています(p18)
・株式投資の相場観を養うためには、日経平均株価の過去の40年間の変遷を知っておくと良いでしょう(p53)
・私が起業した際も、3年がんばってコンサルタント事業が軌道に乗らなければ、いさぎよく会社をたたんで、外資系金融機関にでも転職することを考えていました(p92)
・世界で稼ぐ日本のグローバル企業に投資することで、日本リスクを回避することができます(p120)
・新興国の債権をオーストラリアドル建てにした投資信託を持っています・・・オーストラリアが資源国だからです(p201)
【私の評価】★★★☆☆(78点)
目次
プロローグ 私の投資スタンス 4つのポイント
第1章 お金を増やすために欠かせない知識
第2章 お金を増やすために不可欠な「稼ぐ力」と「貯める力」
第3章 投資する前に知っておきたい経済の最新知識
第4章 「確実に増やす」ための株式投資法
第5章 新時代の投資のヒントの見つけ方
エピローグ 「お金を増やす」は手段。あなたのやりたいことは何か?
著者経歴
小宮一慶(こみや かずよし)・・・経営コンサルタント。株式会社小宮コンサルタンツ代表。十数社の社外取締役や監査役、顧問も務める。1957年、大阪府堺市生まれ。1981年、京都大学法学部卒業。東京銀行に入行。1984年から2年間、米国ダートマス大学経営大学院に留学。MBA取得。帰国後、同行で経営戦略情報システムやM&Aに携わったのち、岡本アソシエイツ取締役に転じ、国際コンサルティングにあたる。その間の1993年にはカンボジアPKOに国際選挙監視員として参加。1994年には日本福祉サービス(現セントケア・ホールディング)企画部長として在宅介護の問題に取り組む。1996年に小宮コンサルタンツを設立し、現在に至る。
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