「一流の人は本気で怒る」小宮 一慶
2017/11/17公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(71点)
要約と感想レビュー
■経営コンサルタントであり、
多くの会社の社外取締役、監査役を
勤める小宮さんの一冊です。
経営者の視点から見た
怒りの感情との付き合い方と
叱り方です。
名経営者は目指す理想が高く、
厳しく叱る人が多いようです。
ただ、怖れられるだけでなく
畏敬の念を持たれるところが、
名経営者です。
自分の理念のために
怒っているということが
伝わるからなのでしょう。
・「怒りは無謀を以て始まり、後悔を以て終わる」ピタゴラス(p16)
■経営者には正しい怒りが
必要だと小宮さんは言います。
正しい怒りは、正しい理念、
正しい考え方から
生まれます。
目指すべき理念、目指している姿から
現実がかけ離れているとき
怒りが生まれるのです。
そのエネルギーが組織全体を
あるべき姿に引っ張っていく
力になるのでしょう。
・松下さんは、何も相手が憎くて厳しく叱ったわけではない。会社に問題が起きれば、お客さまに迷惑をかけるし、ひいては社会にも迷惑をかける・・だから経営者として言うべきこと、理解してももらわないと困ることはしっかりと伝えねば、という思いだったのでしょう。ただし、怒ったあとにはフォローもする(p53)
■経営者とは
会社のあるべき姿、方向性を考え、
組織を引っ張っていく人ですから、
怒るくらいのパワーが
必要なのだと思いました。
怒るほどの真剣さ、
一生懸命さがなければ、
組織を引っ張っていくことは
できないのです。
小宮さん
良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・美しい製品を生み出す過程では、社員をはじめ、ジョブズと関わった人達は大変な思いをしたはずです。自分の理想を理解しようとしない人達に、ジョブズはとても厳しかった(p136)
・やってはいけないと思うことに対しては、厳しく指摘しますし、何度か言ってもそれでも改善せず、「この人に言ってもムダだ」と思った人には二度と指摘しませんし、場合によってはそれ以上合いません(p202)
・面白いのは「五万円の損害だからこそ、五億円分叱れ」という永守流の怒りの哲学です(p50)
・二流の人はグッドに甘んじていても平気で、誰からも文句を言われない。そうやっているうちに、グレート(一流)になるという理想も、機会も失い、一流になるためのエネルギーも失います(p27)
・私は、松下幸之助さんの『道をひらく』(PHP研究所)を自宅にいるときには必ず寝る前に読んでいます。もう100回以上読んでいます(p66)
・私の好きな言葉に「理解は偶然、誤解は当然」というものがありますが、そう思っていると気が楽になります(p88)
・自分を客観視し、反省することの大切さは、松下幸之助さんも説いておられます(p83)
・「素直である」ためには・・一番目は、人の話を聞く。二番目は、人から聞いて「いい」と思ったことを実行する三番目は、結果が出るまで、それをやり続ける(p157)
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【私の評価】★★★☆☆(71点)
目次
第1章 成功する人は怒っている―エネルギーの原泉としての怒り
第2章 どうして人は怒るのか―「正しくない怒り」をコントロールするために
第3章 尊敬される怒りとは―「正しい怒り」を身につける「正しい考え方」
第4章 怒りをどう伝えるか―「インパクト」あるコミュニケーションの方法