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「新幹線から経済が見える」小宮 一慶

2015/11/26公開 更新
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新版 新幹線から経済が見える (祥伝社黄金文庫)


【私の評価】★★★☆☆(72点)


要約と感想レビュー

 新幹線を切り口に経営コンサルタントが語る経済エッセイです。


 ネタは経済半分、新幹線半分、というところでしょうか。著者は年間新幹線100回、飛行機70回乗っていますので、講演会でこういうネタをマクラに話しているのでしょう。


・新幹線と飛行機のみの比較でいうと、東京―大阪間では・・2005年では、新幹線65%、飛行機35%・・飛行機がシャトル便導入もありシェアを伸ばしています(p26)


 著者の話には、景気の話題が多いと感じました。


 景気とは世の中の動きですから、経営コンサルタントとすれば、景気が上向くのか、下向くのか、バブルなのか、デフレなのか正確に把握する必要があります。


 大きい世の中の流れを把握し、経営の方向を考えながら、個別の販売、製造等を考えるのが、経営なのでしょう。


・私はタクシーを利用するときにも、運転手さんが気やすく話せそうな人の場合には、「景気はどうですか」と聞いてみます(p124)


 JR北海道の経営は厳しく、JR東日本、東海は調子がいい。こうした差が見えるのも、民営化によって国鉄のどんぶり勘定から脱却したおかげだと感じました。


 小宮さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・今は破綻してなくなった日本長期信用銀行で、「うちは、新入社員から移動はグリーン車です」と言われたことが記憶に残っています(p115)


・切符を入れたら、改札機に切符が詰まってしまったのです・・女性の駅員がやってきて、自動改札機のふたを開きながら言った最初の言葉に驚きました。「どこからの切符ですか」・・こういう場合、最初の言葉は「申し訳ありません」であるはずです。・・私が切符を持たずに改札を抜けようとしたと疑われたのではないかと思いました(p208)


・私は地方に講演に行く場合などは、昼の時間か、夜でも早い時間の講演なら、だいたい日本全国日帰りで東京に帰って来ます。札幌でも沖縄でもです・・日本は東京中心に交通網が発達している(p34)


・米国のコンサルタントが出した論文に、「規制緩和をすれば必ず起こるルールがひとつある」と書いてありました・・そのルールとは、「強いものは益々強くなり、弱いものは滅びていく」(p133)


・人生を過ごす上で、私は「8割の熱意と、2割の冷めた自分」のバランスがよいのではないかと思っています(p174)


新版 新幹線から経済が見える (祥伝社黄金文庫)
新版 新幹線から経済が見える (祥伝社黄金文庫)
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小宮 一慶
祥伝社
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【私の評価】★★★☆☆(72点)



目次

第1章 「新幹線」から見える日本経済
第2章 「野立て看板」からみる企業経営
第3章 ビルのクレーンが地価を教える
第4章 新幹線の空席と景気の関係
第5章 フルムーン夫婦の旅行増加からわかる経済状況
第6章 進む鉄道のハイテク化
第7章 新幹線のサービスから見えること


著者経歴

 小宮 一慶(こみや かずよし)・・・1957年生まれ。東京銀行入行。岡本アソシエイツ取締役。1994年日本福祉サービス企画部長。1996年小宮コンサルタンツ設立。


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