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「水がなくなる日」橋本 淳司

2020/07/26公開 更新
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【私の評価】★★★☆☆(73点)


要約と感想レビュー

 日本では水道の蛇口をひねると水がいくらでも出てくるが、世界的には水は貴重なのだという。日本では1日に一人300リットルの水を使うが、世界では50リットルの水さえ手に入らない人が多いのです。アフリカなどで子どもが水を汲みに毎日何時間も歩いているのを、テレビで見たことがあります。 


 例えば、ユニセフの調査によると、インドでは2015年の時点で、全人口の半分近くに当たる5億2300万人が野外で用を足しているという。また、パプアニューギニアでは、日収約14キナ(約488円)の女性が、安全な水がないため飲用・料理用に水を50リットルで7.5キナ(約261円)で買っているというのです。


・日本で1人が1日に使う水は約300リットル・・・水のない場所では、水汲みに多くの時間を使うため、勉強や仕事ができず、貧困から抜け出せない(p46)


 この本が警告するのが、外国資本の土地買収によって、地下にある地下水は自由に汲み上げられるということです。だいたい日本の山林の半分は地籍調査未了で、所有者や面積が把握できていないというのです。所有者死亡以降、相続手続きが終わっていない土地、所有者自身が把握できていない土地も多いということで課題が多いのでしょう。


 この本では世界の水事情を、1ページ1項目で説明してくれます。断片的な情報ですので、水という課題に目を向けてもらうための導入本といえるのでしょう。橋下さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・水道料金は事業体によって変わる。20m3(風呂桶100杯分)の料金を比べると、富士河口湖町(山梨)835円、赤穂市(兵庫)853円、長泉町(静岡)1120円に対し、夕張市(北海道)6841円、深浦町(青森)6588円、羅臼町(北海道)6360円(p50)


・ミネラルウォーターは農水省、水道水は厚労省・・・ペットボトル水の基準を定めているのは食品衛生法で水質基準項目は39.水道水は水道法で水質基準項目は51.それぞれに共通する基準値7項目を比較してみると水道水のほうが厳しい(p64)


・食パン1斤をつくるには小麦粉300gが必要で、小麦粉300gをつくりには、630リットルの水が必要。家畜が育つまでのエサなどをすべて計算すると、鶏肉100gには450リットル、豚肉100gには590リットル、牛肉100gには2060リットルの水が必要(p73)


▼引用は、この本からです


【私の評価】★★★☆☆(73点)


目次

CHAPTER 1 世界の水と衛生事情
CHAPTER 2 水源は大丈夫か
CHAPTER 3 あなたの家に流れてくる水
CHAPTER 4 食べもの・製品という巨大な水の流れ
CHAPTER 5 気候変動と災害対策
CHAPTER 6 あなたの家から流れてゆく水



著者経歴

 橋本 淳司(はしもと じゅんじ)・・・1967年生まれ。学習院大学卒業。水ジャーナリスト、アクアスフィア・水教育研究所代表。水と人の未来を語るWEBマガジンaqua‐sphere編集長。現在、NPO法人ウォーターエイドジャパン理事、NPO法人地域水道支援センター理事、水循環基本法フォローアップ委員会委員


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