「日本の地下水が危ない」橋本 淳司
2014/05/29公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(71点)
要約と感想レビュー
■尖閣諸島の国有化から
中国の日本攻撃がはじまりました。
実は中国は尖閣諸島の土地を買おうと工作中で、
阻止されたので逆切れしたのでは・・・
などと妄想しています。
実際に、
全国の水源地が買われているのは
事実のようです。
・「日本では土地を買えば、地下水が好き放題に汲めるというのは本当か」外国人と水の話になると、何度もこの質問をされる(p90)
■問題なのは、土地を購入すると、
所有者の権利が強く、
いくらでも地下水を汲めることでしょう。
日本人なら
周りに迷惑にならないように配慮しますが、
外国人は配慮しません。
ルールさえ守っていれば、
自分の利益のために行動するのです。
・コカ・コーラ社がインドのケーララ州で、水をペットボトルに詰める工場を稼働させたが、その取水量は1日当たり1000~1500トンと大規模で、地元は日常的に水不足に陥るようになった(p23)
■著者がお勧めする制限としては、
土地取引に制限をかける。
または、土地所有権に制限をつける
というものです。
小さい日本ですので、
最低限の法的制限が必要な気がします。
・日本の土地取引に関するルールはとてもおおらかだ。まず誰でも買うことができる。・・・次に、日本の土地所有権は強い・・・欧米では、・・土地そのものは公的なものと考えられている(p94)
■平和ボケの日本人に比べ、
外国人は利己的です。
偽造パスポートを作るために
簡単に人を殺してしまう人もいるのですから、
しっかりとした対応が必要なのでしょう。
橋本さん、
良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・コメを食べることで、農業を守ると同時に地下水も守れる。(p160)
・取得後の所有権は非常に強い。中国資本が買ったとすれば、日本の領土内に中国ができたことになり、その土地を自由に使用できる(p4)
・仮に中国企業が日本の水源地を購入しているとしよう。その場合、付加価値の高いペットボトル水としての販売を想定するのが自然だ。・・・トラック輸送のできない山奥、港から遠い場所はわざわざ選択しないだろう(p76)
・チベット高原の氷河と地下水は「中国の給水塔」と呼ばれる・・・チベットが独立すると中国は命綱である水源地を失うことになるから、けっして手放しはしないだろう(p28)
・中国はアジア最後の未開拓地、メコン川の開発に力を入れ、上流に次々と大型ダムを建設している・・・ダム建設により流砂サイクルが断絶し、肥沃なメコン・デルタは縮小傾向になる(p29)
・インダス川、サルウィーン川、プラマプトラ川、カーナリ川、ソトレジ川などの上流に中国がこの数十年で7000余りのダムを建設したことで、下流国では危機感が高まっている(p30)
・地下水ビジネスが儲かれば、公営水道事業者は減収になる・・・水道料金の値上げにつながるだろう(p65)
▼引用は下記の書籍からです。
【私の評価】★★★☆☆(71点)
目次
第1章 水源地を買う外国人
第2章 地下水を売る日本企業
第3章 国境を越える水
第4章 水を守る法律がない
第5章 動き出した自治体
第6章 水は田んぼで育まれる
第7章 その水はなぜ必要か
著者経歴
橋本 淳司(はしもと じゅんじ)・・・1967年生まれ。学習院大学卒業。水ジャーナリスト、アクアスフィア・水教育研究所代表。水と人の未来を語るWEBマガジンaqua‐sphere編集長。現在、NPO法人ウォーターエイドジャパン理事、NPO法人地域水道支援センター理事、水循環基本法フォローアップ委員会委員
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