「逆境の中にこそ夢がある」蒲島 郁夫
2014/05/28公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(86点)
要約と感想レビュー
高校に行かず本ばかり読んでいた少年が、三つの夢を持ちました。牧場を経営すること。政治家になること。小説家になることです。
少年は牧場の経営を学ぶためにアメリカに渡り、農業研修を受けました。辛い労働。分からない英語。ところが、苦しい牧場研修の後に、その理論を勉強しているうちに勉強が楽しくなってきたのです。
・実際に牧場経営を学んでから、畜産学の理論を叩き込まれるというのは、日本で行われている教育のまったく逆のものだった。・・・「あの時、あのような作業をしたのはこういう目的だったのか!」・・・あの苦しかった牧場体験にもすべて意味があったということを知ったのだ(p145)
そこで、著者はアメリカの大学で勉強するために、一生懸命勉強して入学試験を受けました。が、結果は不合格。しかし、その熱心さから、成績が悪ければ即退学という条件で仮合格できたのです。
・400人ほどの生徒がいたが、オールAは10人しかいなかった・・いきなり特待生として迎えられたのだ。しかも、成績がよかったため、授業料も半額免除。アメリカという国は面白い。よい結果を残すと、それに見合ったものを与えるのである(p161)
著者のパワーを見ていると人間とはやる気になると、すごいパワーを発揮するのだと思いました。そして、そのパワーを発揮し続けていると、さらに強くなっていくのです。
蒲島さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・私が唯一勧めるのならば、本をたくさん読むこと。今の私があるのは、まぎれもなく、高校時代に学校に行かずに読みふけった本のおかげである(p64)
・子どもには、大人の小賢しい価値観を押し付けてはいけない。何よりも、まずさまざまな経験をさせることこそが、子どもに対する大人の義務なのではなかろうか(p62)
・原口先生の口癖は、「人生は短い」である・・・そして、その言葉のあとに、決まって・・「なんでもいいから、自分の歴史を残しなさい」(p89)
・次から次へと仕事があって、不平や不満など湧いてくる暇がない。不平や不満が湧いてそれを表に出してしまうのは、まだ気持ちに余裕があるということだ。(p125)
・人間は一定の期間ならば、120%の力を出すストレスにも十分耐えられるようにできているのだ。寝る間を惜しんで勉強をしたり、筋肉が壊れるこらい運動をしたり。そうやって120%の力を出した人は、人生のチャンスをつかむことができるのだろう(p162)
・夢を持つだけでは何も起こらない。夢に向かって一歩踏み出すことが重要なのだ。・・そして踏み出した後には、要所要所で、自分をギリギリまで追い詰めていかなければならない(p231)
・初めは農協は農家を幸せにする共同体みたいなものだと思っていた。しかし、実態は違っていたのだ。・・・買わなくてもいいような農機具を売りつけて、営業成績を上げようとする人が評価される組織だったのだ(p101)
【私の評価】★★★★☆(86点)
目次
第1章 極貧生活
第2章 落ちこぼれ人生
第3章 夢への渡米
第4章 大逆転
第5章 成功への第一歩
著者経歴
蒲島郁夫(かばしま いくお)・・・1947年、熊本県に生まれる。東京大学法学部教授。専門は、政治過程論、計量政治学。熊本県立鹿本高等学校卒業後、地元農協に勤務。1968年に農業研修生として渡米し、ネブラスカ大学農学部に入学。豚の精子の保存方法を研究し、1975年、ネブラスカ大学大学院修士課程修了。その後、ハーバード大学大学院博士課程に進学し、政治経済学を研究し、博士号を取得。筑波大学社会工学系教授などを歴任した後、1997年から現職。日本選挙学会理事長(2000~2002年)。二一世紀臨調運営委員。アメリカではサミュエル・ハンチントンなどの指導を受け、投票行動の実証的研究や政治参加に関する政治発展理論において業績をあげる。
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