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「50代からの選択―ビジネスマンは人生の後半にどう備えるべきか」大前 研一

本のソムリエ 2018/03/02メルマガ登録
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50代からの選択―ビジネスマンは人生の後半にどう備えるべきか (集英社文庫 お 66-1)


【私の評価】★★★★☆(87点)


要約と感想レビュー

 経営コンサルタントの大前研一さんは、マッキンゼーで日本支社長、アジア太平洋地区会長を歴任。52歳でマッキンゼーを退職すると、東京都知事選に出馬し落選。平成維新の会で出馬した参院選も落選しました。52歳で選挙に落選したのはかなりショックだったようです。


 その後は、経営大学院などの教職に就いたり、「ビジネス・ブレークスルー大学院大学」を開校した頃に書かれた一冊です。52歳で絶対に勝つ、日本を変えると考えていたのに、平均的な日本人と自分がずれていたことに気づいたのです。著者の大前さんは、政治家は自分に合わないと確信し、その後、自分のキャリアをすべてリセットし、若者の育成に集中することにしたのです。
 

・選挙前の僕は、ほかの人間が我慢することを当然と思っていた。なぜなら、「正しいことを言っているのは、オレだから」という理屈である。どっちが正しいか、何が正しいか、だけが、僕の判断基準のすべてだったと思う。でも、世の中というものは、それじゃ通用しない。正しくても、言ってはいけないことがあるということを、50歳を過ぎて僕はやっと気づいたのだ(p153)


 前半は、現在のサラリーマンの現状についての分析です。サラリーマンだから上司とぶつかることもある。悩まないのが大事、と言っているのが印象的でした。仮に50歳で役員になれるわけでもなく、ラインを外れているなら、その事実を受け止めるべきだとアドバイスしています。


 その上で、まだまだやる気があるなら別の会社に移って、新しいフィールドで上を目指してもよい。自分の実力ならこの程度と達観するなら、仕事での成功を目指した人生をリセットし、人生を楽しむことに注力してもよいのではないか、と提案しています。


 そして後半は、50歳以降の人生計画のコツとなっています。今が50歳なら死ぬまで30年間の計画が必要であり、やりたいことは今、やってみよう。ゴールがイメージできれば、やるべきことが見えてくる、と合理的なアドバイスです。


・やりたいことがあるなら、やりたいと思っている今が旬である・・定年後に、それをやって楽しいかどうかわからない。今、やってみるべきなのだ(p177)


 私も今年の誕生日で52歳です。今後の30年間を見据えて、考えていくべき時期であり、大前さんと大きな考え方の差がないと気づきました。


 これから考えるべきは、将来にわたって後悔しないためになにをするのか。まず思い当たるのは、親のサポートですね。それと、自分は社会に何を貢献していくだろう。何を楽しんでいくのだろう。こういうことを考えたいと思います。


 大前さん、将来を考える良いきっかけを与えてくれる本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・僕は、人生最後の瞬間に 「ああ、オレの人生は良かった」と言い残して死にたいと思っている・・幸せなゴールをイメージすると、結果そうなるためには、これは続けておきたい、このつきあいは重要でない、この仕事はやらなくていい、というものが案外はっきり見えてくる(p138)


・老後の計画を立てるとき、一番重要になっていくるのは住む場所だ。住む場所が行動範囲を決めるし、つきあう友達を決める(p210)


・晴耕雨読にはすぐに飽きる・・「毎日釣りをして暮らしたい」と夢見る人は多いが、釣りはたまにやるから楽しいのである。「毎日」となると漁師みたいなもので話は別だ(p175)


・日立製作所に入社したが、当時「自分の専門分野で、5年で日本一になれ。7年で世界一になれ。なれなければ去れ」と言われたものだ(p24)


・リクルートという会社は、この「入社10年で完成する」というサラリーマンの生物的な特徴を、日本で唯一、いやおそらく世界でも唯一、理解している会社で、「32歳定年制」とでも呼べそうなユニークな人事制度を持っている・・32歳になったら、退職金として1000万円出すから、とっとと出て行ってくれ・・(p25)


・管理職である僕の意向を気にするような人間というのは、極めて危険だ・・「大前さんが何と言っても、私が調べた結果はこうなんです。分析するとこうなります」と、なぜ言えないのか(p33)


・解決できない問題についてはどうすればよいのか。これは悩まないこと、これしかない。たとえば、すごくイヤな上司がいる・・そんなとき僕は「相手はオレより年上なんだから、順番から言えばオレより先に死ぬ」と思うことにしている(p135)


・会社がオレを認めてくれない、評価が悪い、出世させてくれない・・、と文句タラタラの人がいるが、ちょっと考えてもらいたい・・木にボールをぶつけたゴルファーがこんなところに生えているからぶつかったではないか、と木に文句を言っているようなものだ(p94)


・仕事で悩むくらいだったら、上司に「そんなことできません、クビにしてください」と言ってしまえばいいのだ。今どき「できないならおまえをクビにするぞ」と言える勇気のある上司はいない。ウジウジ悩むくらいだったら、早目にかぶとを脱いでしまえ、これが僕のアドバイスだ(p130)


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大前 研一
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【私の評価】★★★★☆(87点)



目次

第1章 拡がる世代間格差
第2章 日本の平均年齢50歳の時代
第3章 第2の人生に備える


著者紹介

 大前 研一(おおまえ けんいち)・・・1943年生まれ。経営コンサルタント。マサチューセッツ工科大学博士。日立製作所、マッキンゼー日本支社長を経て、1992年に「平成維新の会」を設立。1994年マッキンゼーを退職し、「一新塾」「アタッカーズ・ビジネス・スクール」を設立。現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長、韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授、高麗大学名誉客員教授、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役会長、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授、スタンフォード大学経営大学院客員教授等を務める。



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