【書評】「言ってはいけない 残酷すぎる真実」橘 玲
2016/12/10公開 更新
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【私の評価】★★☆☆☆(68点)
要約と感想レビュー
知性は遺伝するのか
言ってはいけないタブーを集めた一冊です。たとえば、遺伝の話。運動能力が遺伝するなら、知性もある程度は遺伝するのか、それとも文化や教育で変わるのでしょうか。
知性については、黒人男性の大学進学率は48%で、黒人女性の大学進学率は57%だという。男女で違うのです。その結果、高学歴黒人女性のお相手となる高学歴の黒人男性が少なすぎる結果になっているという。
同じように、性別によって差別があると言われていますが、男女はもともと違うのです。例えば、アメリカを例にとれば、男性の殺人は女性の約9倍、強盗は10倍です。
事実として犯罪率の高い国もあるし、死亡率の高い国があるのです。それは遺伝の差なのでしょうか、文化の差なのでしょうか、それとも教育の差なのでしょうか。
アメリカを例にとれば、男性の殺人は女性の約9倍、強盗は10倍・・こうした犯罪傾向は日本も同じで、男性の殺人は女性の3倍、強盗は15倍(p74)
知性の差はどこで生まれるのか
面白いところでは、お金持ちのほうがIQが高い傾向にある事実です。さらに、黒人と白人を比較した場合、黒人のIQが低いという事実があります。
その理由を推測してみれば、お金持ちは良い教育を受けられること。黒人グループでは頭の良い奴はいじめられるから勉強しない、という理由があるという。
知的能力を伸ばすなら、よい成績を取ることがいじめの理由にならない学校(友だち集団)を選ぶべきだ(p242)
人生の差はどこで生まれるのか
そのほかに、美貌格差の話もありました。美しい人が得する社会だから、美容整形が儲かるのです。
美しいだけでなく、笑顔もその人の人生に影響を与えます。調査結果によれば、卒業写真であまり笑っていなかった卒業生の離婚率は、満面の笑みの卒業生の5倍にもなったという。
全体として、それほどタブーだとは思いませんでした。橘さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・「知識社会」とは、知能の高い人間が知能の低い人間を搾取する社会のことなのだ(p72)
・子殺しはヒトだけでなく、チンパンジーなどの霊長類でも行われている。ハムマンラングール(オナガザル科)では、メスの子連れ集団を乗っ取ったオスが真っ先にするのは、月齢6~7ヵ月以下の子ザルをすべて殺すことだ(p78)
・フランスの風刺雑誌「シャルリー・エブド」の編集部がイスラーム過激派の武装集団に襲撃され・・日本を代表するリベラルな新聞社は、「テロは言語道断だが下品な風刺画を載せた方も問題だ」として「ひとが嫌がるようなことをする表現の自由はない」と宣言した・・私は、不快なものにこそ語るべき価値があると考えている(p248)
【私の評価】★★☆☆☆(68点)
目次
1 努力は遺伝に勝てないのか
2 あまりに残酷な「美貌格差」
3 子育てや教育は子どもの成長に関係ない
著者経歴
橘 玲(たちばな あきら)・・・作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設のメンバー。2002年、金融情報小説『マネーロンダリング』でデビュー
読んでいただきありがとうございました!
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