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「大震災の後で人生について語るということ」橘 玲

2015/02/02公開 更新
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大震災の後で人生について語るということ


【私の評価】★★★☆☆(78点)


要約と感想レビュー

 2011/3/11の東日本大震災と原子力発電事故。今、日本は大きな転換点にあると著者は言います。すでに不動産神話は崩れた。大企業は潰れないという神話も崩れた。原子力の安全神話も崩れた。


 次に続いて崩れるのは、何なのでしょうか。国家が潰れることはあるのでしょうか。


・戦後の日本人の人生設計は四つの神話の上に築かれてきました。
 1 不動産は上がりつづける。
 2 会社はつぶれない。
 3 円はもっとも安全な資産だ
 4 国家が破産することなどありえない。(p132)


 著者が伝えたいことは、大きな変化が予想されるとき、リスクに備える必要があるということです。


 例えば、サラリーマンは、かなりの部分を会社に依存しています。そのサラリーマンが、資産の多くを自社株として持っているとしたら会社が倒産したら、何も残らない。さらに、大きく考えると、日本という国家が破産したら、どうなるのでしょうか。


・サラリーマンの人生というのは、四十代までひたすら会社に貯金して、五十代から回収をはじめ、満額の退職金をもらってすべての帳尻が合うようにでいています(p79)


 著者が言いたいことは、どのようなことがあっても対応できる心積りが必要ということです。現実を直視すれば、未来に起こることはだいたい予想できます。「こんなはずではなかった」とは、言わないようにしたいものですね。


 橘さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・地価が恒常的に下落している日本では、賃貸生活が有利になる一方で、マイホームはますますハイリスクな投資になってしまったのです(p55)


・金利が急激に上がっていくときに、もっとも確実に破産する方法は変動金利(短期金利)で多額の借金をすることです(p173)


・サラリーマンになるということは、会社から毎月給料という配当を受け取り、退職金として元金が償還される債権を買うようなものなのです(p68)


・サラリーマンが真面目なのは日本人の気質ではなくて、仕事をさぼって解雇されたときに失うものがあまりにも大きいからなのです(p74)


・人的資本が小さく、なおかつ金融資本もほとんどないなら・・高いレバレッジをかけて大損しても、自己破産すればいいだけです。(p170)


大震災の後で人生について語るということ
大震災の後で人生について語るということ
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橘 玲
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【私の評価】★★★☆☆(78点)


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目次

1 日本人の人生設計を変えた四つの神話
 日本を襲った二羽の「ブラックスワン」
 不動産神話―持ち家は賃貸より得だ
 会社神話―大きな会社に就職して定年まで勤める
 円神話―日本人なら円資産を保有するのが安心だ
 国家神話―定年後は年金で暮らせばいい
2 ポスト3・11の人生設計
 伽藍からバザールへ―人的資本のリスクを分散する
 世界市場投資のすすめ―金融資本を分散する
 なぜふつうのおばさんが億万長者になるのか?
 大震災の後で人生を語るということ


著者経歴

 橘 玲(たちばな あきら)・・・作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設のメンバー。2002年、金融情報小説『マネーロンダリング』でデビュー


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