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「大前流心理経済学 貯めるな使え!」大前 研一

2014/08/27公開 更新
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大前流心理経済学 貯めるな使え!


【私の評価】★★★☆☆(74点)


要約と感想レビュー

■大前さんから日本経済の特殊性を
 教えてもらいます。


 日本経済の印象というと、
 仕事一筋の頑固オヤジが年をとって
 引退してぶらぶらしているイメージでしょうか。


 お金を持っていますが、
 株式投資など浮ついた
 金の使い方はいたしません。


 その一方で、官は特殊団体に資金をまわし、
 OBの年金代わりにしています。


・特別会計を含む国・地方の歳出純計額は伸び続け、租税総額の3.6倍に達している・・・各省庁が持っている特殊団体の特殊財源は財投債などを発行してまかまっている・・・・財政投融資という名の「裏」の借金は275兆円以上も存在(p67)


■これだけ大きくなった債務は返済不能であり、
 いずれ夕張市のようになるのか
 それとも徳政令が出るのか
 大増税となるのか、
 大前さんにもわからないようです。


 いずれにしろ
 政府が大きくなって
 良いことは一つもない、
 というのが大前さんの結論です。


 税金は払いますから、
 せめて仕事の邪魔だけは
 しないでもらいたいものです。


・「小さな政府」が経済を復活させる理由は簡単で、「大きな政府」で「官」の関与が大きくなればなるほどシステムが非効率化し、産業が国際競争力を失うからだ(p317)


■大前さんに言わせると、
 日本の官は民間を保護しようとして、
 逆に民間の競争力を奪っている


 財政赤字により、
 国家を破綻寸前に追い込んでいる。


 悲しい結論ですが、
 私もそう思います。


 大前さん、
 良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・アメリカでは「リバースモーゲージ型生命保険」が一般的になっている。・・・住宅資産を担保にして融資を受け、死亡などのために融資が必要なくなった場合は、住宅を売却した代金で借金を一括返済する仕組みだ(p225)


・「イザという時」のためにお金を貯め込んでおきながら、実際には葬式さえも何の具体的準備をしておかず、結局は家族が葬儀業者に言われるがまま高い金を払わされてしまうのだ(p101)


・あまり役に立たない大学受験までは必死に勉強するにもかかわらず、なぜ社会人になってから、収入アップにつながるような勉強をしないのか(p125)


・日本も国家ファンドを創設せよ・・・一つが株を売り浴びせ、もう一つが買収を仕掛ければ、その企業を簡単に買収できてしまうのだ。30兆円あれば一国の経済を破綻させることも可能(p260)


・利権の巣窟ではあるがサービス向上の意識が欠けている人々が港湾を支配しているために、かえって他の国の港に荷役を奪われる(p274)


・フランスやスイス、ノルウェー、スウェーデンなどは市街地でも80キロが普通で、道路の整備事情と車の性能に合わせて変えていこうという考え方・・・ところが日本は制限速度が変わらないままなので、制限時速を守っている車が少ないのが実態だ(p286)


▼引用は下記の書籍からです。
大前流心理経済学 貯めるな使え!
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大前 研一
講談社
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【私の評価】★★★☆☆(74点)



目次

序章 日本は打ち手のすべてを持っている
第一章 従来の経済学が通用しない日本経済
第二章 日本人の不思議な経済心理
第三章 新たな繁栄のための心理経済学
第四章 心理を動かし、人を動かす
第五章 資産運用を国技にせよ
第六章 心理経済と集団IQ
第七章 一人の人間が世界を変える
終章 日本人の新しいライフプラン


著者経歴

 大前 研一(おおまえ けんいち)・・・1943年生まれ。経営コンサルタント。マサチューセッツ工科大学博士。日立製作所、マッキンゼー日本支社長を経て、1992年に「平成維新の会」を設立。1994年マッキンゼーを退職し、「一新塾」「アタッカーズ・ビジネス・スクール」を設立。現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長、韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授、高麗大学名誉客員教授、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役会長、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授、スタンフォード大学経営大学院客員教授等を務める。


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