「試合、本番に強くなる 心と体のRP【リアルプラクティス】」中山 和義
2014/02/10公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(87点)
要約と感想レビュー
来年が最後の高校総体テニスとなる息子に読ませたい一冊です。テニスコーチの視点から、試合で勝つための心のアドバイスをしてくれます。スポーツの世界では、試合の勝敗は技術が50%、心が50%で決まります。
興味深いのは、試合前は苦手なプレーを練習するのではなく、span style="color : #ff0000;">得意なプレーを練習するということ。苦手なプレーは上達が遅いうえに、練習中に失敗ばかりでは、精神的にも落ち込む原因になります。試合前には、自分の得意なプレーを練習することで自信を強化することができるのです。
・試合が近づいたら、絶対に苦手な技術を直そうとしてはいけません。・・・試合の前には、技術を磨く練習よりも試合で精神的に優位になるために、自信をつける練習のほうが重要になります(p117)
また、手帳やビデオで自分の体の動き、心の動きを記録して冷静に分析することが大切です。コーチやメンタルトレーナーを雇えるほどお金持ちは少ないでしょうから、自分で自分をコーチするのです。練習内容の記録と反省、試合での心理状態・気づいた点など、自分について記録するのです。
そして、試合の前には必ず会場を下見すること。ウォーミングアップでは、できるだけ苦手なショットを打たないようにして強そうな印象を与えながら、相手の様子を観察するなどアドバイスが適切でした。
・自分の試合について、気づいたことや考えたことを記録する習慣をつけることが上達するためには必要です。・・『上達ノート』には、試合の結果だけではなく、日頃の練習で気づいたことなども、どんどん書き込んでいきましょう(p226)
最後に、試合後にはビデオを利用して試合を振り返り、客観的に自分自身を見ることと、自分自身に対して、「私は、全力でがんばった。本当に素晴らしい」と、ねぎらいの言葉をかけることをアドバイスしていました。これは自己暗示を活用する手法でしょう。
私も30年間テニスをしていますが、試合前に得意なプレーの練習をする・・・というのは目からウロコでした。思わず弱点の練習をしてしまうのが人間の性質だったのですね。人間というのは、常に学ばないと大きな損をするのかもしれません。中山さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・試合に勝つための練習を行うためには、辛いと感じる苦手を直すための練習をやり過ぎないことです・・・自分の得意な技術を磨いたほうが、将来の可能性も大きくなる(p28)
・テニスのサービスの練習をするのならば、・・・80%以上を必ずコートに入れる・・・連続で20球入れるような練習を行っていれば、試合の勝敗を決めるような場面にサーブをするときも・・自信を持って打つことができます(p79)
・ボールが飛んでくるのを1球1球、想像して、目と顔の動きを入れながら素振りをする(p15)
・ミスを恐れることで、「ミスをしてはいけない」という気持ちが強くなると、反対にミスを引き寄せてしまう結果になってしまいます(p179)
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【私の評価】★★★★☆(87点)
目次
第1章 あなたの練習は間違っている
第2章 試合に勝つために必要な練習とは
第3章 試合が近づいた時期にやるべきことは
第4章 試合当日のポイントとは
第5章 練習で身につけた力を試合で発揮するためのポイントとは
第6章 今後の練習のために試合直後にしておきたいこと
第7章 何のために練習をするのか?
著者経歴
中山和義(なかやま かずよし)・・・1966年生まれ。成蹊大学経営工学科卒業、アメリカのホップマンキャンプ、メンフィステニスアカデミーで海外のスポーツビジネスを経験、帰国後、ヨネックス株式会社勤務、テニススクール担当として200ヶ所以上の事業所で販売促進企画を実施、退社後、父親の経営する緑ヶ丘ローンテニスクラブの経営改善に着手、赤字テニスクラブを業界トップのテニスクラブに改善。その後、テニスショップ、テニスサポートセンターをオープン、オリジナルブランドを立ち上げ、ラケットやガット、テニス練習機などを中心に売り上げを伸ばしている。その他の事業として老人ホーム、学習塾を展開中。日本メンタルヘルス協会公認心理カウンセラー。心理カウンセラーとしての知識を応用したセミナーは(株)船井総合研究所や(社)日本テニス事業協会などでも高い評価を受けている。テニス普及のためのNPOテニスネットワークを設立、三鷹青年会議所の理事長を務めるなど地域ボランティア活動にも力をいれている
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