【書評】「トヨタ式ホワイトカラー革新」金田 秀治、近藤 哲夫
2014/02/11公開 更新
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【私の評価】★★★★☆(85点)
■カイゼンといえば製造業ですが
 これをホワイトカラー(事務職)に
 適用しよう!という一冊です。
 工場では、ムダの排除から少人化が
 トヨタ式カイゼン。
 一方、ホワイトカラー・事務職では、
 ムダの排除よりも効率化による
 新しいサービス提供を目指します。
・「本社」は「少ない人員」で勝つのではなく「新機能」で勝つのが本道である(p88)
■仕事を繰り返す工場に対し、
 ホワイトカラーの仕事は、
 なかなか測定しにくいもの。
 では、どうやるか。
 岩手県庁の例を見てみましょう。
 まず、改善活動の必要性を説明し、
 納得してもらう。
 前提としてリストラはしないことを説明。
 次の段階は、モデルとして
 一部の課で改善を行います。
 目標設定→スタッフの選定→現状調査→
 「あるべき姿」を考える→アイデア出し→
 改善案→実施→フォロー(さらなる改善)
 と続きます。
・「あるべき姿」を考えずに改善を始める「むだ」・・・目標は達成するかもしれないが、さらなる改善が進まない・・・スタートする前に「あるべき姿」を明確にしないと、どこに行くか分からなくなり、その結果「むだ」な改善になる(p198)
■カイゼンに慣れていない県庁の人のために、
 基本となる5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)も
 並行して行っています。
 カイゼンが行われていない職場であれば、
 すぐに成果が出るはずです。
 面白そうですね。
 金田さん、近藤さん、 
 良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・トヨタでは報告書・企画書等はすべてA3一枚にまとめるというルール(原則)を持っている・・・20枚の資料は少なくとも必要とする企画書をA3一枚ですまそうというのであるから大変である(p225)
・月一回(一日)は自主的に集まったメンバーで現場に出向いてムダを出し合うことで「ムダ」が見える 目を養うトレーニングを続ける・・・30年余、すべての工場で地道に毎月欠かさずこの自主研は続けられてきている(p241)
・金田の管理職時代の一日の作業の時間(工数)配分は、30%が管理職としての「定常作業」、そして70%がチェンジリーダーとしての「イノベーション活動」(トヨタ式展開)であった(p112)
・トヨタ生産システムは、工場部門において大野さんをリーダーとする大野ファミリーと呼ばれた、ほんの一握りのインフォーマルな集団(大野さんの「思い、あるべき姿」を共有した仲間集団)が構築したものである(p41)
・改革が進むかどうかは、チェンジリーダーを中心にインフォーマルな仲間集団が生まれるかどうかにかかっている・・・熱意、姿勢に対して協力しようという「思い」が人々に生まれる・・「人徳」(人間力)がなければ誰も集まらない(p245)
・大野さんは改善を推進するプロセスで人は育つと強調されていた(p139)
・人財は、考えさせる、困らせることで育つ・・・とかくベテランはすぐ問題とその解を教えたがる。それでは親切なようだが人は育たない。育てるためには答えをいわず、考えさせ、足で譲歩うを取らせることが本人の将来のための親切である(p237)
・一週間ごとに三人の仕事を交換(ローテーション)している・・・あるXという作業がとても大変であった・・・あるとき三人で話し合った。X作業を楽に、楽しくできるようにしようと。・・・この人材育成のローテーションの「しくみ」は、その職場にとって「持続的に改善活動を進める『しくみ』」になったわけである(p58)
・大野さんは「要るモノを、要る時に、要る数だけつくる、または運ぶ」と私たちに教えられていた。・・・生産変動にしたがって人員編成すべきだ。・・・「金」は使うな、「気」(知恵)を使え。知恵を出せば、より小さい投資で、同じ成果が得られる(p75)
日本経済新聞出版社
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【私の評価】★★★★☆(85点)
■目次
第1章 トヨタ式革新の奥義
第2章 トヨタ式ホワイトカラー革新
第3章 トヨタ式革新の二一世紀展開
第4章 ホワイトカラー革新をどう進めるか
第5章 チェンジリーダーの育成が鍵
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