トヨタOBの証言「トヨタ式人間力―ものの見方・考え方と仕事の進め方 」
2011/12/01公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(85点)
■トヨタ生産方式を精神面から
説明した一冊です。
もともとトヨタ生産方式とは、
生産方法というよりも、
精神的なものが多い。
逆に言えば、
考え方を変えなくてはならないので、
安易な気持ちでやってみるとうまくいかない・・・
諦める・・・といった会社が多いのです。
一種の精神革命と、それをやりとげる
強い意志が必要なのでしょう。
・お金をかける改善案を持っていくと、「1万円でやれ」と無理な注文をつけられたものだ。お金をかけない方法や、もっと安くできる方法など、多様な検討をさせるための注文である。(p24)
■トヨタ生産方式では、
在庫は悪、不具合があればラインを止める、
標準作業がある、人を抜く、問題を改善する、
といった終わりのない改善を行います。
普通の人にとっては、
人を抜くのは労働強化だし、
在庫がなければ、
在庫管理をしていた人の仕事は
なくなるのです。
トヨタでさえも、
導入時から絶え間ない
苦労があったことがわかります。
・新しい方法を試みるのはいつだって大変だ・・・改善によって生産性を上げようと思っても、「これまでも頑張ってきたのに、もっと働けということか」といった心理的な抵抗も生じる。・・・トレーナー自身が、現場で実際にやってみせ、納得させる(p63)
■しかし、品質を向上させ、生産性を上げなければ、
日本の自動車産業の未来はない。
そうした思いから、
人に嫌われながらも
よりよい生産ラインを作るために
努力した結果が現在の
日本の自動車産業となっているのでしょう。
・「わたしは織機で国のために尽くした。お前は自動車をつくって国のたえに尽くせ」これが豊田佐吉氏から豊田喜一郎氏への遺言(p5)
■会社でも改善をやっていますが、
改善を出す人は出す、
出さない人は出さない、
んですね。
でも、地道に
諦めずにやっていくしかありません。
若松さん近藤さん、
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・「レールがあるから脱線がすぐわかるのだ」・・・きちんとした標準がなければ、何が問題かさえもわからない(p40)
・外部委託だと、改善の余地が見えてこない(p61)
・大野耐一氏は夜、「ここがよくないから、これをこう直せ」という指示を出す。・・・とりあえずいわれたとおりの改善をしておく。すると、「なんで俺のいったとおりにやる」といって怒る。・・・真意は「いわれたとおりにやるのではなく、自分で知恵を出してもっとうまくやれ」という叱咤激励だ。(p96)
・大野耐一氏は「止まらないラインは素晴らしくよいか、よほど悪いかのどちらかである」といっている。・・・問題を表に出す、問題やトラブルが目で見てわかるようにする(p114)
・「保全はいいが、修繕はダメだ。修理をしろ」・・・「修繕」では・・単に部品を取り替えたり、応急処置をするだけで、真因をつぶしていない。・・・真の原因をつかんで、無理を退ける。それこそが「修理」である。(p120)
・買った機械を説明書どおりに使って、説明書どおりにできるのは当たり前の話だ。こんな仕事をしていたら大野耐一氏のカミナリが落ちる。職場の知恵のついていない機械を漫然と使うのには、実に厳しい人だった(p106)
・大野耐一氏は、トヨタの技術者に対して、「理論や知識を上手に語る技述者になるな、 行動する技術者になれ」という言い方をしていた(p155)
・ある会社では、午後三時からの15分間を「クリーンタイム」と称して、掃除の時間にあてている。見学に行った人は「これ以上何をきれいにするのですか」と驚いていたものだ(p166)
・まずは今日の仕事について、「本当にこのやり方でよいのか」と、一日に一時間だけでも考える習慣を身につけよう(p184)
ダイヤモンド社
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【私の評価】★★★★☆(85点)
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