トヨタOB独白「トヨタ流「視える化」成功ノート―「人と現場が変わる」しくみ」
2012/11/17公開 更新本のソムリエ [PR]
Tweet
【私の評価】★★★☆☆(78点)
要約と感想レビュー
■「視える化」の視点で
仕事の改善をまとめた一冊です。
たとえば、
改善したら、改善前と改善後を
映像で比較して貼り出す。
人材の能力を一覧表にする。
人間は「視える化」することで、
しっかり理解することができるのです。
・「指摘された内容」「改善策」「改善の結果」は、みんなが見えるところに順次貼り出す。すぐに実行に移せば、みんなが指摘を前向きにとらえるようになる(p69)
■トヨタ流の「視える化」の本質は、
問題の見える化なのでしょう。
ふつうの人は問題があると
マイナスに考えます。
ところが、
トヨタはわざと問題を引き起こす。
わざと困るように、在庫を減らし、
人を減らすのです。
問題があれば、それを改善することで、
問題がなくなり、結果して、
在庫が減り、人が減るということ。
本当に逆転の発想ですね。
・在庫を減らす。・・人も減らしていく。すると、途端に体質の弱さが見えてくる。まるでトヨタ流をやったために、問題が出たような気がする。だが実際には、見えなかった問題が表に出て、見えるようになっただけだ(p94)
■ふつうの人の逆の発想。
これができるのか。
職場で受け入れられるのか。
会社が倒産するような状況なら
受け入れられる可能性が
あるのかもしれません。
そういう意味で、
危機はチャンスなのかもしれませんね。
若松さん、
良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・Eさんの自慢は、「自分がいなければわからない。自分がいなければ仕事は進まない」という管理能力だった・・・はたしてEさんの仕事を「おかしいよ」と言える人がどれだけいるだろうか。(p30)
・私は、生産改革の着手に先立って、各企業の改革推進チームの人たちに「今の状態をしっかり記録に残してください」とお願いする・・・映像にして見ると「汚い工場だなあ」と多少は客観的になれる(p55)
・何も起こらない現場は一つもない。何も起こらないということは、隠しているに決まっている。本気になって問題点を書き出したら、書ききれないほどあるはずです(張富士夫)(p95)
・間接部門の改善・・・「活用しないデータを取り続ける」「現状調査・分析に時間をかけすぎる」「転記作業が多すぎる」「捺印が多すぎる」「ムダなコピー配布が多すぎる」・・(p124)
・B社では発表会という形式にこだわることなく、改善の成果は現場で聞くことにした。経営陣や管理職が現場に足を運び、どのような改善をしたかに耳を傾け、目で確認する(p176)
・「あなたの会社の長所を10個あげてください」こう尋ねると、たいていの経営者が「うちには長所なんかありませんよ」と答える。・・・「うちの売りはこれです」と社員はもちろん、お客様にも「見える」ようにすることだ(p210)
大和書房
売り上げランキング: 234839
【私の評価】★★★☆☆(78点)
著者経歴
若松義人(わかまつ よしひと)・・・1937年宮城県生まれ。トヨタ自動車工業に入社後、生産、原価、購買の各部門で、大野耐一氏のもと「トヨタ生産方式」の実践、改善、普及に努める。1984年以降は農業機械メーカーや住宅メーカーなどでもトヨタ方式の導入と実践にあたった。1991年韓国大宇自動車顧問。1992年カルマン株式会社設立。現在同社代表取締役社長。西安交通大学客員教授
読んでいただきありがとうございました! この記事が参考になった方は、クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓
人気ブログランキングに投票する
メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」 50,000名が読んでいる定番書評メルマガです。購読して読書好きになった人が続出中。 >>バックナンバー |
配信には『まぐまぐ』を使用しております。 |
コメントする