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大野耐一氏に学ぶ「トヨタ流 仕事の哲学」若松 義人

2011/01/25公開 更新
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トヨタ流 仕事の哲学


【私の評価】★★★☆☆(78点)


要約と感想レビュー

現場、現物、現実で課題を設定

トヨタ流というと、「ジャストインタイム」「カンバン」「ポカヨケ」「見える化」「カイゼン」「現地現物」などと、生産の考え方が頭に浮かびます。それはそのはずで、トヨタ生産方式とは方式ではなく、「仕事の思想」そのものなのです。


まず課題の設定が大事になります。現場、現物、現実を把握して、課題を設定するのです。この本で紹介されている例では、赤字に苦しむ病院の再建を依頼された元トヨタマンはまず、アンケートによって患者さんの声に耳を傾けたという。


・「規則」を改善せよ(p94)


大野耐一氏のエピソード

トヨタ生産方式の生みの親である大野耐一氏のエピソードが秀逸です。大野氏は変わった人だったようですが、仕事の本質と、人を育てるポイントが分かっている人だったようです。例えば、失敗の改善を提案されたとき、大野耐一氏は、「私は失敗したのを見ていない。目の前でもう一度失敗を見せてくれ。それで納得できたら、今のやり方を認めよう」と言い放ったという。


また、改善のコツは、改善すべきラインを一点に絞ること。そして、できればお客さまにもっとも近いところで改善を進めることだという。そして、企業視察やセミナー参加したときは、「仕事のやり方や会社のあり方にはこういう課題があり、このように改善していきたい」という突っ込んだ課題認識や提案が報告書に書いてなければ、報告とは言えないというのです。


・自分にとって役立つ情報は、みずから出かけて行かなければ得られるものではありません(p148)


自分で考え、自分で実行することで、人は成長できる

つまり、自分で考え、自分で実行に移すことで、人は成長できるという思想があったのでしょう。やはり、こうした「仕事の思想」は、仕事の中で学んでいくのが一番なのですが、トヨタに就職するのでなければ、こうした本で学ぶしかないのでしょう。


トヨタ生産方式は、深みがあります。本だけでなく、セミナーや講師など人から直接学ぶ必要があるのかもしれません。若松さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・「失敗の記録」は、小さなミスでも二度と繰り返さないよう、各人が失敗した理由と対策を書類に書き込んで保管するシステムだ。担当者が変わっても、事例集をチェックさせれば、同じ過ちを繰り返す恐れはない。(p121)


・後工程を無視した「自分だけ」「自分のところさえ」の改善は本当の改善にはなりえない。(p186)


トヨタ流 仕事の哲学
若松 義人
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【私の評価】★★★☆☆(78点)


目次

1章 トヨタ流改善哲学―成功地図を明快に描こう
2章 トヨタ流問題解決の哲学―「システム」が能力を引き出す
3章 トヨタ流行動哲学―「今までは」に軸足を置くな
4章 トヨタ流失敗の哲学―小さなミスを目ざとく活かそう
5章 トヨタ流現場の哲学―自分について「人」に尋ねよ
6章 トヨタ流人間関係の哲学―「みんなで」の力を信じよう



著者経歴

若松義人(わかまつ よしひと)・・・1937年宮城県生まれ。トヨタ自動車工業に入社後、生産、原価、購買の各部門で、大野耐一氏のもと「トヨタ生産方式」の実践、改善、普及に努める。1984年以降は農業機械メーカーや住宅メーカーなどでもトヨタ方式の導入と実践にあたった。1991年韓国大宇自動車顧問。1992年カルマン株式会社設立。現在同社代表取締役社長。西安交通大学客員教授


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