「トヨタが「現場」でずっと繰り返してきた言葉」若松 義人
2014/09/05公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(83点)
要約と感想レビュー
いつもながらトヨタ式の考え方を若松さんに教えてもらいましょう。トヨタのすごいところは、大企業でありながら、考え方が一流ということでしょう。そこには、中小企業のようなスピード感があるのです。例えばアイデアがあったら、まず実際にモノをつくってみるのがトヨタ流です。
また、一般の会社だと、どうしても甘くなってしまう標準がしっかり厳しいものとなっているのです。そして標準を見直す仕組みがある。さらにそれを何十年も繰り返している。これでは追い付けませんね。
・トヨタ式の標準作業は、最初から「完璧」を求めない。・・・完璧どころか、最初は少し「甘い」くらいでいい・・知恵を出せるし、改善もできる(p173)
もちろんトヨタとはいえ、一朝一夕に現在の姿になったわけではありません。大野耐一という人が、自分の分担の範囲で改善を続け、出世する中でその改善の影響力を広げていったのです。後に、大野氏はなかなか変わらない現場を見ながら「わしだって辛抱している。仕事は権力ではない。理解と納得である」と言っているのです。
問題がないということは、問題を見逃しているということです。だから問題がなければ、問題を作れというのがトヨタ流です。異論がないということは、異論を見逃しているということです。同じように異論がなければ異論をつくれ。異論をわかったうえでやれということです。
IBMの復活を書いた「巨象も踊る」という本がありましたが、まさにトヨタはうまく踊っていると、感じました。一度、トヨタの会社に入社して、潜入取材でもしたいものです。若松さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・現場は見たのか?(p21)
・想いを「見える化」せよ。(p32)
・工場に飯を食わせてもらっていることを忘れるな。(p36)
・原価というものは下げるためにあるわけで、計算するためにあるんじゃない(p139)
・正しい在庫管理には「平均値」ではなく、一品一品の適正在庫をチェックする必要があるのではないか(p147)
・会社の在庫が多ければ多いほど、本当に必要なモノはない(p205)
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【私の評価】★★★★☆(83点)
目次
第1章 トヨタが「現場」を動かすときに使う言葉
第2章 トヨタが「人財」を育てるときに使う言葉
第3章 トヨタが「チーム」力を上げるときに使う言葉
第4章 トヨタが「改善」するときに使う言葉
第5章 トヨタが「知恵」を絞るときに使う言葉
第6章 トヨタが「なぜ」を問うときに使う言葉
第7章 トヨタが「実行」するときに使う言葉
第8章 トヨタが「WAY」を伝えるときに使う言葉
著者経歴
若松義人(わかまつ よしひと)・・・1937年宮城県生まれ。トヨタ自動車工業に入社後、生産、原価、購買の各部門で、大野耐一氏のもと「トヨタ生産方式」の実践、改善、普及に努める。1984年以降は農業機械メーカーや住宅メーカーなどでもトヨタ方式の導入と実践にあたった。1991年韓国大宇自動車顧問。1992年カルマン株式会社設立。現在同社代表取締役社長。西安交通大学客員教授
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