「トヨタ式「スピード問題解決」」若松 義人
2016/11/15公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(85点)
要約と感想レビュー
トヨタの考え方は、普通の会社の考え方と違います。普通の会社では問題がなければ問題はない。トヨタでは問題がなければ、人を抜いて問題を作るのです。これを「問題を顕在化する」と言います。
このように問題を見える化して問題解決に取り組むのですが、もっとも悪いのは問題に気づかないことではなく、問題に気づいても他人のせいにして、「自分には関係ない」と放置する人らしいのです。よく職場にいますよね。
・仕事の監督者は、人を抜いて、適度にラインが止まる状態にしておかなければならない・・いろいろな問題が顕在化してくる。一種の視える化だ(p21)
そういえば、本田宗一郎が、工場のユニホームを青から真っ白にしましたというエピソードを思い出しました。その理由は、汚れるとすぐにわかるからだという。問題を目立たなくするのではなく、目立つようにしてそれをなくするということが大事なのです。
そして問題解決についても、安易に他社に金を払ったり、機械を買ってきて解決するのは、良いようで実は悪いことだと断言しています。つまり、他人に解決を任せてしまい、自分で問題を解決する能力も改善能力も身につかないからです。
・「トヨタ式をやるとラインが混乱する」などと文句を言う人・・たくさんの人やモノを抱え込んでいるために、問題が表に出ず、意識されていないだけなのだ(p29)
トヨタ式とは、たゆまぬ改善なのだと思いました。ある意味、狂っている。そうした改善を何十年と続け、会社の体質にしているのがトヨタのすごさなのだと思いました。
若松さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・会社に来ていやなことやつらいことがあったら、どうすればいいかと考えればいいんです。何か気づいて、気づきをそのままにしておくと不満になりますが、どうしようと対策を考えて実行すれば、改善になります(p186)
・確かな計画を立てるには『うまくいかなかった時にどうするかまで考えての計画』をつくらなくてはならない(p113)
・異論がないということは、異論を見逃していると思え。異論がなければ異論をつくれ。異論をわかったうえでやる(p113)
・「カタログエンジニア」という言い方がある。カタログに書いてある通りの使い方をして、カタログに書いてある通りのモノをつくる・・「仕事に知恵がついていない」(p126)
・半年も経つと、さすがに目に見えるムダや問題はなくなり、いったいどこをどう改善していいかが、わからなくなった・・・ここで大切なのは、功をあせって、「こう直してください」「あそこを直してください」と指示したくなる気持ちをグッと抑えることだ(p103)
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【私の評価】★★★★☆(85点)
目次
1章 見えない問題をまず「視える化」する―着手の早期化
2章 解決しても「根絶」するまでやめない―着眼の多彩化
3章 スピードと正確さをベストに調和させる―着実性の向上
4章 解決力を競争力に進化させていく―到着点の遠大化
5章 チームの「知性」と「個性」が急伸する―解決力の定着
著者経歴
若松義人(わかまつ よしひと)・・・1937年宮城県生まれ。トヨタ自動車工業に入社後、生産、原価、購買の各部門で、大野耐一氏のもと「トヨタ生産方式」の実践、改善、普及に努める。1984年以降は農業機械メーカーや住宅メーカーなどでもトヨタ方式の導入と実践にあたった。1991年韓国大宇自動車顧問。1992年カルマン株式会社設立。現在同社代表取締役社長。西安交通大学客員教授
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