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「トヨタ式最強の経営―なぜトヨタは変わり続けるのか」柴田昌治、金田秀治

2005/02/23公開 更新
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【私の評価】★★★★★(93点)


要約と感想レビュー

●私がこれまで読んだトヨタ本のなかで
 一番現実味と具体性を持った一冊でした。


 文句なしの5星となりました。


 トヨタ生産方式の特徴は継続的改善ですが、
 コンサルタント金田さんと、企業風土改善の
 コンサルタント柴田さんの組み合わせが、
 その改善活動を行う場合にどのような問題が発生し、
 どう対処していくべきなのか、
 具体的で説得力のあるものにしています。


・このように「トライ」は、現場側からすれば本来は願い下げの作業である。言い出し屋とヒラメキエンジニアがいくらすばらしいアイデアをまとめ上げても、トライで協力してくれる仲間がいなければ、この改善活動は終わってしまう。したがって、この協力してくれる仲間集団をつくり上げる仕組みが大切となる。(p49)


●私も会社で改善活動を推進する立場として、
 勉強会を開催したり、改善案を検討したり
 していますので、その対応方法には、
 「そうだよね」と共感するものが多々あります。

 
・トヨタはこの人材確保の仕組みの一つとして「自主研」と呼ばれるインフォーマルな組織づくりの仕組みを作っていった。(p66)


●改善活動を続けていくためには、
 人間と仕組みの両面で改善活動が
 推進されるような工夫と努力が必要なのです。


・「気楽にまじめな場」では、お互いに「自分」というものを話す機会が多い。「自分」というものを振り返りながらしゃべる、というのは意外に満足感をもたらすものなのだ。(p210)


●私、個人的には、改善活動をサポートして
 くれる人間をいかに探し、育て、増やすかが、
 今後の重要な課題になっています。


・本当に単なる不満屋なのか、それとも仕事のことを思ってのことなのかを見抜くことが決定的に重要だ。(p190)


●協力してくれる人を探し、目標をはっきりとさせ、
 各自の創意工夫を取り入れて組織として
 改善を推進する。


・トヨタ自動車と普通の会社の違いでいちばん大きなものを挙げると、「そういうことは業界常識ではできるはずがない」というような、ある意味ではとんでもないテーマが提起された場合、2章でも述べたように結果として多くの人が「よし、まずやってみよう」という行動を起こすことである(p196)


●最後に、トヨタはすごいと思いました。
 しかし、同じ人間が作った組織であり、
 一歩でも近づくことはできるのではないか
 と感じました。


 組織のなかで、改善活動を進めようとしている人に
 絶対お奨めできる一冊です。


この本で私が共感した名言

・トヨタではこの作業改善を積み重ねても、段取り替え時間は半分の一時間にするのが精一杯だった。このような現場の状況下で大野工場長は、段取り替え時間三分を前提とした生産方式に移行させる手を打った。三分に近づけなければ、工場の生産が混乱してみんなが「困る」状況をここでも作っている。(p47)


・人間というものは面白いもので、自分が創意工夫する余地が少しでもあれば、実際にはかなり多くが上から教えてもらった方針であっても、すべて自分がやったような雰囲気でやることができる。(p177)


・「この部門の方向性をいちばんわかっているのは君だと部長が言っていたけど、どうしてまだ若い君がいちばん知っているの?」「では逆にお聞きしますけど、どうして部長とか役員にそれがわかると言うんですか。わかるはずがない。わかるのはわれわれなんです」(p109)



【私の評価】★★★★★(93点)



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