「粉飾国家」金子勝
2005/02/25公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★☆☆☆(67点)
●一時期、年金制度がテレビや新聞で取り上げられたことがありますが、
結局、社会保険庁のひどい実態が注目されるだけで、
本質的な対応は保険料率の引き上げ、
国庫負担の拡大など小手先の内容に終わりました。
●本来ならば、年金というものは民間でもありますから、
普通に運用するだけでも、
税金を投入したりする必要はなく、
逆に利益さえ出る経済活動のはずなのです。
それがなぜこうなってしまうのでしょうか。
・何よりも年金制度の最大の問題点は、
政府自らの見直しとして、給付財源のあてのない
「未積立金」が四八○兆円(厚生年金四三○兆円+
国民年金五○兆円)もの規模に
膨らんでいることにある。(p19)
●今の状況は、国の年金が、年金といいながらも、
実際は「ねずみ講」のように、
若い人からお金を集め、年齢の高い人に配分しているだけと
いうことがばれてしまったのだと思います。
・いまの年金制度は、まるで潰れそうな会社そのものである。
つまり、潰れそうになった会社が利益を上げるために
「製品価格(保険料)を上げる一方で
従業員に支払う給与(給付額)を下げれば、
利益が上がるだろう」と安易に考える。
ところが、そうするとますます
その企業の製品が売れなくなり、
顧客は逃げてゆくのだ。(p25)
●松下幸之助は、本来、国の経営がしっかりしていれば、
毎年お金を残すことにより基金ができ、
その基金の利息だけで国家を運用できる無税
国家さえ可能であると考えていました。
・年金官僚たちは「再び問題が表面化する頃、
自分たちはリタイアしているから
責任を問われることなどはないだろう」と
タカをくくっているとしか思えない。(p47)
●本来、商人として政治とは一線を画してきた松下幸之助が、
晩年「このままでは日本はダメになってしまう」
という思いで、松下政経塾を設立したのも
この現状を素直に直視したからではないのでしょうか。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・政府・日銀は、永遠に自ら国債を
買い支えなければならなくなっているのだ(p62)
【私の評価】★★☆☆☆(67点)
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