「あなたはもっと怒っていい」和田 秀樹
2012/10/17公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(82点)
要約と感想レビュー
怒りをこらえる日本人が多い
普段からボケと突っ込みを訓練している関西人や、弱みにつけこむその筋の人でなければ、ふつうの日本人なら怒らないものではないでしょうか。
例えば、震災と放射能にじっと耐えている東北人を見ていると、私を含めて怒りをじっとこらえる日本人が多いように感じます。神戸地震でも熊本地震でも日本人はじっと耐えていましたね。
日本では、怒りたいのに怒れない人のほうがずっと多いのではないでしょうか?(p4)
怒ってばかりの人が得をする
しかし、実社会では、言ったもの勝ちという場合もあるし、怒ってばかりの人が得をすることもあるのが現実です。じっと我慢している人だけが、損をすることもあるのです。そうであれば、言いたくないことも言ってみることが大切なのかもしれません。
また、問題行動をその場でとがめることができる人は、自分の怒りをその場で消すことができます。また、相手からすれば、怒るときに怒ってくれる人はわかりやすくて安心という面もあるのです。
腹が立ったら怒るのは当たり前のことで、怒っただけでは解決しなくても、怒ることで解決に向かう状況はいくらでもある(p37)
一番強いヤツとケンカする
怒れば、短期的には、ゴタゴタが起こるかもしれない。しかし、それは必要な混乱なのです。転校してイジメられたら、まず一番強いヤツとケンカする。これがイジメられないための秘訣であるということも事実なのです。
また、周囲が騒がしかったら「ちょっとうるさいよ」、朝の挨拶を無視されたら「おはよう、でしょ!」、列に割り込む人間がいたら「並びなさい」と言えばいいのです。
世の中には、他人の痛みに鈍感な人がいます・・・たとえばあなたを精神的に苦しめている人がいたとして、我慢すれば相手は「悪かったな」と気がついてくれるのかということです(p165)
言うべきは言う
間違いや無礼を指摘する、ということは訓練が必要です。言うべきは言う。言う必要のないことは言わない。そうしたコントロールができれば、人生を楽に生きていくことができるのでしょう。
自分もあまり怒らないタイプなので、自戒の気持ちも含めてこの本をお勧めします。和田さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・怒れば、一種のガス抜き作用になって大事な怒りを忘れてしまう・・・わかりやすい例は国民の怒りや不満の矛先を外国に向けるやり方でしょう(p73)
・「嫌いなやつとはつき合わない」という選択・・・つき合わないで済むことができれば、そのたびに「なんだ、これでいいじゃないか」と気がつくことが出てきます(p100)
【私の評価】★★★★☆(82点)
プロローグ わたしは怒ってばかりいる
第1章 怒りは本来、若々しい感情です
第2章 怒りはかんたんな「言葉」にできます
第3章 「怒り」を生きるバネにしましょう
第4章 「リラックスして怒るコツ」があります
第5章 怒りは発信しないと「力」をもちません
第6章 あなたはもっと怒っていい!
エピローグ どんどん怒って胸を張って歩こう
著者経歴
和田秀樹(わだ ひでき)・・・1960年大阪府生まれ、精神科医。東京大学医学部卒、東京大学付属病院精神神経科助手、アメリカ・カールメニンガー精神医学校国際フェローを経て、国際医療福祉大学大学院教授(臨床心理学)、一橋大学経済学部非常勤講師(医療経済学)。老年精神医学、精神分析学、集団精神療法学を専門とする
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