「社員稼業―仕事のコツ・人生の味」松下 幸之助
2012/08/07公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(77点)
要約と感想レビュー
松下幸之助の肉声を聞く
松下幸之助の肉声テープ3本とセットになっていた一冊です。この本は松下幸之助のお話を書籍にしたものですが、やはりこの本よりも、松下幸之助の話をテープで聞くほうが、心の中にスッと入ってくるものが多いように感じました。
長年の経営者としての経験から得られた至極の知恵というものなのでしょう。人を得て、会社を経営していく仕事のコツ。それは、部下と話をしてみて、実力が六十点ぐらいはあるなと思えば、「君、これやってくれ。君なら十分いけるよ」というようにお願いすれば、それでたいていうまくいったというのです。こうした人生の味は、松下幸之助でなければわからないことだと思いました。
社員稼業と考えられないか
やはりなんといっても「社員稼業」の話がいいのです。私は会社員ですけれども、一つの独立経営体の経営者でもある、という考え方ができないか。決して強制するわけではなく、それが正しいかどうか、そうしたらどうなるか、考えてみていただきたい。そうした言い方に、松下幸之助の本当の意味での一生懸命さが見えてくるのです。
合わせて松下自身は社長なわけで、自分は社長としての仕事を全うしているだろうか、と常に問い直しているようです。自分よりも社長にふさわしい人がいれば、自分は社長の職を去らなくてはならないという覚悟がわかります。
フッと次のようなことを感じたのです。自分はいま社長である。社長で月給はいくらもらっている。そうすると、そのもらっている少なくとも十倍は、私一人ででも、会社を儲けさせなければならない。もしそれができなければ、社長を辞めないといけない(p124)
社員稼業と考えられないか
松下幸之助は小さい頃から丁稚で鍛えられ、「しんどくても喜んでせい、苦労はもちろん、しんどいことは買ってでもせい」と教えられたと書いています。
そして、仕事に命をかけているか、と問いかけます。ただ、体育会系というよりも命をかけて技能を修得しよう、得た技能をこう遂行しよう、ということを丁寧に説明している姿が印象的でした。
書籍として読んでみると、いま一歩という感じですが、テープかCDがあったら、ぜひ聞いていただきたいと思います。CDを聴くと、「こんな言い方をしていたのか」「思ったより滑舌はよくないな」いろいろなことがわかります。松下さん、良い話をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・社長が甘ったるく、いつもニコニコしているという面も必要でしょうけれど、時にはぴしっぴしっと叱るという厳しさもなければ、その会社はどこかタガがゆるんだところがあると思います(p75)
・日本のいちばんの欠点は、封建制といいますか、たとえば入社順によって、人が地位を得ていく、会社で仕事をしていく、そういう傾向があることです・・・アメリカへいくとそういうことはありません(p107)
▼引用は下記の書籍からです。
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【私の評価】★★★☆☆(77点)
目次
社員稼業ということ―序にかえて
一話 生きがいをどうつかむか
二話 熱意が人を生かす
三話 心意気を持とう
四話 何に精魂を打ち込むのか
五話 若き人びとに望む
著者経歴
松下 幸之助・・・パナソニック(旧松下電器)グループ創業者。PHP研究所創設者。1894年生まれ。9歳から火鉢店、自転車店に奉公し、大阪電灯(株)勤務。1918年松下電器を創業。1946年PHP研究所を創設。1989年94歳で永眠。
読んでいただきありがとうございました!
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