「物の見方・考え方」松下 幸之助

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物の見方・考え方 (PHP文庫 マ 5-3)

【私の評価】★★★★★(90点)


■経営の神様と言われる松下幸之助は、
 自分の力で成功したとは
 思っていなかったようです。


 私は学校に行っていない。
 だから、人の意見を
 聞くことができた。


 体も弱かった。
 だから、人を使って
 人を育てることができた。


 自分は大した能力もないのに
 成功した。だから私は
 運が良かったのだろう。


 そう考えれば、
 慢心することもないだろう
 というのです。


・私より偉い人が世の中には無数にいる・・
 にもかかわらず、日本一の金持ちだとか、
 商売の神様だとか人はいう・・
 自分はやはり運が強いのだという解釈をする・・
 えらい努力をしたから、こうなったのだとか思うと、
 どこかに無理が生まれ、重くるしい感じがする。
 そこからどうしても誇り以上の物を考えがちになる。
 野心も生まれてくる。
 そこに失敗の芽生えがあると思う(p223)


■たとえ正しい志を持っていたとしても
 うまくいかないのは、
 自分に甘いところがあったのではないか、
 と松下幸之助は自分に厳しい人です。


 タイミングが早かったのではないか。
 やる力が組織になかったのではないか。
 人選を間違ったのではないか。


 いずれにしろ
 うまくいなかないということは
 自分の認識が足りず、
 判断を間違ったということであると
 考えているのです。


・事志と反する結果が生ずるのかということを
 考えてみると、多くは自己認識というか、
 自分を中心にした反省が足らないからだ
 といえると思う・・
 その人の見方が甘かったのだと思う(p75)


■最近の松下幸之助の著作と違う文体で
 松下幸之助の息づかいが
 伝わってくるようでした。


 松下幸之助は実力で成功したのですが、
 自分は運がいいだけだと考え、
 慢心を抑えようとしているのです。


 謙虚もここまでくると
 素晴らしいすね。


 松下さん
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・率先垂範ということは必要であるが、
 それだけでは足りない。
 これはまどろこしい点もあるであろうが、
 部下にまかせるということが必要である。
 そのうちには、部下もかならずや一人前になり、
 十分自分のかわりになり時には自分以上に
 うまくやるようになるであろう(p26)


・私の体験からいうと自分の思う通りできなかった
 場合がたくさんある・・ところが、おもしろいことに、
 その失敗が成功に転化している場合が非常に多い・・
 私は失敗を多くしおって成功している・・(p101)


・自分が自由に仕事ができるということほど
 ありがたいことはない。
 だから私が会社に事業部をつくって
 独立採算制で自由に経営をさせるということは
 そういうところから出ている(p144)


・西郷隆盛が次のような遺訓をのこしている・・
 「国に功労ある人には禄を与えよ。
 功労があるからといって地位を与えてはならない・・
 功労があるからといって、見識のないものに
 地位を与えるということは国家崩壊のもととなる」・・
 事業経営においても同じことがいえる(p203)


・大将というものは家を出たらいけない。
 あなたは家におって、使いは番頭にやらせるのだ。
 それが大将としての仕事の態度というか
 勤務体制だ・・これは平凡なことだが、
 非常に味わうべき言葉だと思う(p90)


・今日の日本の繁栄というものは、
 自力によってかち得たものではないと思う。
 外国からの援助によってもたらされた
 ということを、われわれは忘れてはならぬと思う。
 ご招致のとおり、戦後いち早く「生産性本部」
 という機関もでき、またトップ・マネジメントの
 研究会などがあちこちにできた・・
 一番はじめにいい出したかというと、
 それはアメリカであった(p77)


・ロサンジェルスという町がある。
 人口は600万人といわれているが、
 毎年非常に膨張していて、近い将来、
 1000万人になろうといわれている。
 このロサンジェルスの市会議員は、
 わずか16人である。ところが、私が、
 ちょうどそのとき話をしていた町は、
 人口わずか5万の地方都市であった。
 その人口5万人の町に市会議員は
 何人いるかと聞いたら、
 30人いるという(p198)


・求める人材がなかなか見つからぬのは結局、
 日本の各社がいたずらに余剰人員をかかえて
 手放さない。いや手放せないことが
 一つの原因をなしているからである。
 余剰人員とは、貴重な人を無駄に使っている
 ことにほかならぬような気がする(p21)


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■目次

会社経営のカンどころ
責任の持ち方
金だけが目的で仕事はできぬ
事業に失敗したらどうする?
長期勤続のちから
伸びる会社・伸びる社員
難局を切り抜ける条件
事志に反す
物の見方 考え方
商売の道
役に立つ人間
「のれん」の精神
心の持ち方
私の学校教育論
経営についての考え方
日本の経営者 アメリカの経営者
人多くして人なし
「運」について考える



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