人生を変えるほど感動する本を紹介するサイトです
本ナビ > 書評一覧 >

「自衛隊が世界一弱い38の理由―元エース潜水艦長の告発」中村 秀樹

2011/09/30公開 更新
本のソムリエ
本のソムリエ メルマガ登録[PR]

自衛隊が世界一弱い38の理由―元エース潜水艦長の告発


【私の評価】★★★★☆(89点)


要約と感想レビュー

■戦えない軍隊として自衛隊は
 有名ですが、
 その理由を再検証する一冊です。


 北朝鮮の工作船に防衛出動が発令
 されたことがありましたが、発令まで
 かなりの時間がかかったようです。


 中国も尖閣諸島を侵略するのなら、
 今のうちかもしれません。


・防衛出動が発令されるまでの流れ・・・「事態対処専門委員会」が対処への基本的な方針を審議・・・内閣総理大臣はこれを「安全保障会議」というものに諮らな・・・ようやく閣議にかけることができる(p39)


■自衛隊の弱さは、

 1 法令が実情に合っていない。
 2 前例踏襲の訓練と装備と配置。
 3 自衛官のサラリーマン化

 というところでしょうか。


 政府に守られた業界の
 大企業と同じような症状です。


・領空侵犯の可能性があれば戦闘機を発信させ、領空侵犯前に進路変更させる・・・しかし、武器使用の条件が極端に厳しく、正当防衛、緊急避難以外では攻撃できない(p131)


■自衛隊と政治家に期待はしますが、
 実際には黒船のような
 大事件が必要なのかもしれません。


 尖閣諸島の漁船衝突事件が
 危機感醸成のきっかけにでも
 なればいいのですが。


 中村さん、
 良い本をありがとうございました。



この本で私が共感した名言

・日本では、海外で生命の危険にある日本人を救出するため、自衛隊機や自衛艦を派遣することができない。物理的な能力はあるのだが、自衛隊法をはじめ、法的な問題でできないのだ。(p56)


・「野戦型」から脱却、市街戦を重視せよ(p106)


・国産といえども、製造に必要な部品や材料の大半は輸入に頼っている。その部品の製造過程をたどれば、全部が輸入と言っていい。・・・所詮は輸入なら完成品を買ったほうが早い。(p124)


・日本の軍隊は昔から作戦中心で、情報を軽視してきた。例外は戦国期くらいのものだ。(p180)


・外国では、日本のような精密な地形図は市販されていない・・・恥部は国防上の秘密だからだ。この点でも、我が国は安全保障感覚が世界とは違う。気象情報も同様だ(p183)


・92年の領海法で尖閣諸島を勝手に自国の領土としているのだ。中国からすれば、尖閣諸島侵攻は侵略ではなく、領土の回復という名分がある。(p154)


・北朝鮮の工作員は、韓国に侵入する際は武装しているが、日本に侵入する際は武器を携行しないほうが安全だといわれている・・・日本の法律と警察は、我が国の国益を甚だしく侵害する外国工作員も大事に扱ってくれる(p189)


・敵前で、特科(砲兵)の突撃支援射撃の間をじっと耐え、砲撃の最終弾着弾とともに、ガバと跳ね起きて銃剣をきらめかせて敵陣に突っ込む・・・いまだにそういう訓練をしている(p110)


<確かに、近くの駐屯地で同じような突撃訓練をしていた・・・>


・私の知る限り、余暇に戦術書を読んだり、戦史の勉強をしたりする自衛官は九牛の一毛である。それを自衛官のサラリーマン化という(p202)


・陸上自衛隊がルワンダ難民救援に派遣された・・・駐屯地付近で実弾が飛び交う事態が発生した。このため、指揮官は監視塔にいる隊員を避難させようとしたが、すでに勝手に避難していたという・・・旧陸軍刑法なら死刑に相当する罪だ。(p217)


・入庁後間もない二十代の若い内局の部員(初級の尉官相当)が、三十代の古参3佐(少佐)を捕まえて「下っ端の自衛官」と暴言を吐くのを直接耳にしたことがある(p65)



【私の評価】★★★★☆(89点)



著者経歴

 中村秀樹(なかむら ひでき)・・・昭和25年、福岡県に生まれる。昭和49年、防衛大学校卒業(18期生)、海上自衛隊に入隊。護衛艦隊幕僚、潜水艦艦長、幹部学校教官等を務め、防衛研究所戦史部を最後に平成17年、退職


自衛隊関係書籍

「自衛隊が世界一弱い38の理由―元エース潜水艦長の告発」中村 秀樹
「自衛隊、そして日本の非常識」清谷 信一
「戦う者たちへ (日本の大義と武士道)」荒谷卓
「徴兵制が日本を救う」柿谷 勲夫
「真説・国防論」苫米地 英人
「国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動」伊藤 祐靖
「自衛隊失格:私が「特殊部隊」を去った理由」伊藤 祐靖


楽天ポイントを集めている方はこちら



読んでいただきありがとうございました!

この記事が参考になった方は、クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓ 
人気ブログランキングに投票する
人気ブログランキングへblogrankings.png


メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」
50,000名が読んでいる定番書評メルマガです。購読して読書好きになった人が続出中。
>>バックナンバー
もちろん登録は無料!!
        配信には『まぐまぐ』を使用しております。


お気に入りに追加
本のソムリエ公式サイト

<< 前の記事 | 次の記事 >>

この記事が気に入ったらいいね!

この記事が気に入ったらシェアをお願いします

この著者の本


コメントする


同じカテゴリーの書籍: