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「国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動」伊藤 祐靖

(2017年5月29日)|本のソムリエ メルマガ登録
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国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動 (文春新書)


【私の評価】★★★★★(93点)


内容と感想

■著者は、1999年、北朝鮮の工作船を
 逃してしまった能登半島沖不審船事件では、
 イージス艦みょうこうの航海長でした。


 不審船は威嚇射撃に一時停止しましたが、
 幸運にも?高速で北朝鮮の方に
 逃げていきました。


 当時、イージス艦には
 防弾チョッキもアサルトライフルも
 暗視装置もありませんでした。


 自衛官は、体に「少年マガジン」を
 ガムテープで巻きつけて
 不審船へ突入しようとしていたのです。


・艦内にはまだ防弾チョッキも装備していなかった・・拳銃は、撃ったことはおろか、触ったことすらなかった。そんな彼らが、・・高度な軍事訓練を受けているに違いない北朝鮮の工作員らと、銃撃戦をする(p15)


■その後、防衛庁は、
 海上自衛隊に特殊部隊を
 創設することを決定。


 著者は、特別警備隊準備室の
 3名のうちの1人に選ばれました。


 著者が、教官となって
 特殊部隊員を教育。


 7年後、異動を内示され時、
 自分で特殊部隊の技術習得を
 継続していくことを決断。


 自衛官を退職し、フィリピンで
 各国の友人から戦闘技術を習得し、
 後輩に伝えることにしたのです。


・拳銃についても、銃口を人の身体に接した状態から真下か真上にねじ込みながら撃てという。そうしなければ反撃のいとまを与えてしまう(p153)


■戦闘技術を磨く中で、
 著者の中で大きな課題となったのは、
 日本という国を守る理由でした。


 外国に比べ日本の自衛隊は、
 非常に優秀です。


 その優秀な自衛隊員が
 死を覚悟して仕事ができる
 理念が日本国にあるのか、
 ということです。


 伊藤さん、
 良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・乗り込んだ工作母船は、最後は自爆するだろうに、あれで行っちゃうのかよと思った。若い海上保安官の顔を見て気の毒に思った・・向こうは、北朝鮮政府の軍事訓練を受けた軍人なのである。ものが違う。そこに行かせちゃうのか。違うだろう。(p29)


・あくまで一般的傾向としてだが、軍隊には、その国の底辺に近い者が多く集まってくるものなのだ・・「何て優秀な兵隊なんだ。こんな国と戦争したら絶対に負ける」と、毎回必ず言われる(p131)


・拉致被害者を奪還できるか・・奪還する日本人の人数の五倍から十五倍の犠牲を覚悟しての作戦立案になる(p142)


・我慢を重ねて、最終的に堪忍袋の緒が切れる。この傾向は自分の中にはっきりとあるし、日本人の国民性としてもあると思う・・・譲るばかりではなく、この線以上は譲る気がないという意思を強く示すことも、事態を収拾するための大切な配慮であるはずだ(p237)


・あなたの国は、おかしい。なぜ先祖が子孫のために残した掟を捨てて、他人が作ったものを大切にしているのか?・・先祖が必死で伝承してきた掟を捨ててしまうような国家、国民の何をいったいどうして守りたいのか?」と言われれた。私は、一言も返すことができなかった(p6)


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目次

はじめに ―戦う者の問いと願い
第一章 海上警備行動発令
第二章 特殊部隊創設
第三章 戦いの本質
第四章 この国のかたち
おわりに ―あの事故のこと


著者紹介

伊藤祐靖(いとう・すけやす)・・・1964生まれ。日本体育大学から海上自衛隊へ入隊。防衛大学校指導教官、護衛艦「たちかぜ」砲術長を経て、イージス艦「みょうこう」航海長在任中の1999年に能登半島沖不審船事案に遭遇。海上自衛隊「特別警備隊」創設。2007年、2等海佐の42歳のときに退官。フィリピンのミンダナオ島で自らの技術を磨き直し、現在は各国の警察、軍隊への指導で世界を巡る。国内では、警備会社等のアドバイザーを務めるかたわら私塾を開き、現役自衛官らに自らの知識、技術、経験を伝えている。


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