「大震災後の日本経済ーー100年に1度のターニングポイント」野口悠紀雄

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大震災後の日本経済ーー100年に1度のターニングポイント

【私の評価】★★★☆☆(75点)


■「バブル崩壊」という言葉を生み出した
 野口さんの震災後の政策提言です。


 津波と原子力の問題から、ここ1,2年は
 電力供給が制限されます。


 電力により生産が制限されるなかで、
 復興需要を優先すれば、
 他の生産を減らす必要がある。


 その生産量の調整は、価格を上げたり、
 円高による輸入減により、
 自然と可能となるという主張です。


・国内需要削減のためには、電気料金値上げや
 増税などの「負担増」がどうしても必要だ。
 また、純輸出(輸出-輸入)を減らすには
 円高が必要である(p35)


■供給より需要が多ければ、
 価格が上昇するのは当たり前で、
 電力価格も上昇して当たり前。


 震災復興の投資増加で資金需要が
 増えれば、金利が上がるのが当たり前。


 実際には難しいかもしれませんが、
 そうした市場メカニズムを
 素直に利用しようという
 提案と理解しました。


・復興のための資金調達が増えれば金利が上がる。
 金利が上がれば円高になる。(p27)


■その一方では、震災により
 国家財政の悪化が加速している状況から、
 抜本的な財政立て直しを求めています。


 福島第一のメルトダウンだけではなく、
 国債のメルトダウンも心配しなくては
 ならなくなっているのですね。


 野口さん、
 良い本をありがとうございました。


━━━━━━━━━━━━━━━━━


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・災害のなかった場合に比べて、
 今後数年間の投資が一割程度増加する可能性がある・・
 しかし、電力制約によって供給を増加できない・・・
 生産が不変なら、投資の増加を受け入れるために
 他の需要が減少しなければならない(p7)


・日本の税体系は、製造業が基幹的な産業であることを
 前提にして組み立てられている・・・
 製造業の収益性が90年代以降低下してきたために、
 この構造の維持は、経済危機以前に
 すでに難しくなっていた(p120)


・2010年の国民負担率(国民所得に対する比率)を見ると、
 法人所得課税が3.4%に対して、社会保障負担率は
 17.5%である。大ざっぱに後者の半分が事業主
 負担だと考えると、9%近く(p135)


・1990年代には家計の預金増加で国債を消化・・・
 2001年以降は対企業貸出の減少で国債を消化・・・
 このような形態での国債消化は
 どこかで限界が来る(p161)


大震災後の日本経済ーー100年に1度のターニングポイント
野口 悠紀雄
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【私の評価】★★★☆☆(75点)



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