「真実の「日本戦史」―図解戦略・戦術で解き明かす」宝島社
2011/05/27公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(78点)
要約と感想レビュー
日本の戦争の評価はいろいろあるでしょうが、戦略、戦術的に評価した一冊です。元寇から関ヶ原、大東亜戦争まで戦史に興味を持ってもらうための入門書として最適です。図解で、分かりやすい構成になっているのがありがたいですね。
・ミッドウェー・・・我にとって敵の行動は見えず、敵は我の動きを逐一把握していたのである。情報の優越に立つものは常に先手を打って行動できる(p113)
日米・日中戦争にしても生麦事件にしても、日本から手を出したような印象が大きいのですが、実際はそうでもないことがわかります。相手がうまいということもありますが、相手の挑発に乗ってしまい、プロパガンダで負けてしまうというのが、日本の傾向なのかもしれません。
・日中戦争・・・度重なる在留邦人に対する排斥や殺害に憤り、中国蔑視が既定路線のようになっている日本民衆からも、軍の弱腰への批判は高まりつつあった。それらが結局のところは上海における全面衝突へとつながっていく(p104)
戦争はしないほうがいい、でも、戦争するなら勝たねばならない、戦後は、相手が悪い証拠を集めPRする。そうしたことがわかる一冊でした。防衛庁さんには、福島第一でも運用できるようなロボット兵器を作っていただきたいですね。
宝島さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・戦争をよく研究することが平和を維持するゆえんである。その戦争の研究は戦史から学べ(リデル・ハート)(p3)
・文禄の役・・・朝鮮水軍の亀甲船といわれる船の効果は大きく・・・蓋をして、なおかつハリネズミのようにしている亀甲船には乗り込めない・・・朝鮮軍の大砲にかなりの被害を受け、水上では敗戦が続く(p60)
・生麦事件・・・ニールとクーパー提督は、湾内に停泊していた薩摩藩の汽船三隻を拿捕し、拉致してしまう。賠償金よりも高価な、この三隻を質として交渉をしようとしたが、この拿捕をもって敵対行為と判断した薩摩藩は、ついに砲撃を決意する(p79)
・南満州は、日本が近代化の過程ではじめて戦った国家間戦争たる日清戦争・日露戦争の陸戦の舞台である。「父祖が尊い血を流して得た」との枕詞が、当時の満州を語る上で必須だった(p92)
・日中戦争・・・個々の戦闘において日本軍が中国軍を包囲殲滅した場面はほとんど見られない。戦闘を優位に進めた場面は数多くあるが、いざ最終局面という段になると、ほとんどのケースでは敵はすでに戦場から逃げてしまっている(p100)
▼引用は下記の書籍からです。
宝島社
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【私の評価】★★★☆☆(78点)
目次
第1章 戦争の常識を暴く
第2章 戦略と戦術を暴く(1)~中世・近世~
第3章 戦略・戦術を暴く(2)~近代以後~
第4章 戦略・戦術を暴く(3)~大東亜戦争~
読んでいただきありがとうございました!
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