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「日本国家の神髄―禁書『国体の本義』を読み解く」佐藤 優

2010/08/05公開 更新
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日本国家の神髄


【私の評価】★★☆☆☆(65点)


要約と感想レビュー

 著者は外務省において、「ロシア情報収集分析チーム」を統括していました。いわゆる諜報組織です。メンバーの能力は、他国に比べ劣りませんでしたが、著者は、何かが足りないと感じたそうです。それは、この仕事に命をかけることができるのか、ということです。


 そこで著者は、過去の日本のスパイ活動、他国のスパイ活動を学習するとともに、日本の伝統、文化を勉強しました。皇室とはなにか、日本の神話は?日本国とはなんなのか、ということです。そうした学習のなかで、日本国のために命をかけるという意識が高まってきたそうです。


・自らの命を投げ出す心構えができていない・・・『古事記』『日本書記』『神皇正統記』『太平記』など日本の古典を読み、われわれの伝統を知ることだ。(p2)

 
 そうした背景から、著者は、この本で戦前に文部省が発行した「国体の本義」を読み解き、日本とは何なのかを考えていきます。「国体の本義」とは、国体とはそもそも何なのかを明らかにするために文部省が作成したパンフレットですが、私にはまったく手に負えませんでした。


・日本は、高天原の神々と直接つながる皇統を有する神の国なのである。天皇を原点にわれわれは召されている集団だ。われわれ日本人は神の国の民なのである。(p154)


 唯一、わかったことは、日本という国は、天皇を中心にまとまってきた国であるということ。そして天皇は遡れば、神に行き着く。つまり、日本は神の国であるということです。


 内容は難解でしたが、日本が神の国であることはわかりました。佐藤さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・どの民族もその伝統を最後まで突き詰めていくならば、かならず神話に行き着く。日本の場合、『古事記』と『日本書記』で集大成された天地開闢、天孫降臨に対する感覚をわれわれ日本人が取り戻すことが重要だ。(p68)


・没我帰一とは、各人が自己中心の考えを捨てて、一つにまとまることである。・・・皇室を中心として、没我帰一を可能にする精神が、日本語の中に埋め込まれていることを、われわれは感謝して受けとめなくてはならない(p208)


・世のため、人のために役に立つ人間となるために知識を習得しなくてはならないという動機づけを生徒に対して行うことが教育者の重要な責務である(p241)


・人間の理性に基づいて、理想的な社会や国家を構築できるという発想自体が、1789年のフランス革命のときに議長席から見て左側にすわっていた人々、すなわち左翼の思想なのである・・・右翼は、人間の理性には限界があると考える。(p21)


▼引用は、この本からです。


【私の評価】★★☆☆☆(65点)


目次

序章 忘れられたテキスト
第1章 日本がつくる世界史
第2章 永遠の今
第3章 高天原の斎庭の稲穂
第4章 「海行かば」と超越性
第5章 まこと
第6章 神の国である日本
第7章 敷島の大和心
第8章 没我帰一
第9章 国民文化
第10章 君民共治
終章 普遍主義の幻想から国体の再発見へ



著者経歴

 佐藤 優(さとう まさる)・・・1960年生まれ。日本の作家。学位は神学修士(同志社大学・1985年)。同志社大学神学部客員教授、静岡文化芸術大学招聘客員教授。在ロシア日本国大使館三等書記官、外務省国際情報局分析第一課主任分析官、外務省大臣官房総務課課長補佐を歴任。2002年に鈴木宗男事件に絡む背任容疑で逮捕される。2005年に執行猶予付き有罪判決(懲役2年6か月、執行猶予4年)を受け東京高等裁判所、最高裁判所は上告を棄却し、判決が確定した。


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