「食肉の帝王」溝口 敦

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食肉の帝王 (講談社+α文庫)

【私の評価】★★★☆☆(79点)


■地盤沈下が激しいと言われる大阪ですが、
 大阪で同和と暴力団と政治家を使って
 財をなした浅田満さんの調査記録です。


 現在、BSE(狂牛病)問題の牛肉買い上げによる
 国の補助制度を利用し不正を行ったとして、
 詐欺罪などで逮捕、裁判中のようです。


 この本は、逮捕以前に発行されており、 
 浅田満の逮捕に大きな影響を与えたのか、
 それとも警察によるリークなのかでしょうか。


■この本で見えてくるのは、
 同和による税金の優遇、
 公共事業の浪費です。


 これでは、財政破たんするのも
 当たり前のように感じました。


・68年1月、当時の高木文雄・大阪国税局長が
 部落解放同盟などとの団体交渉の席で、
 同和地区の状況を踏まえて課税すると申し合わせた。
 簡単にいえば、課税面で優遇するという話です・・・
 ただ近年はなくなったはずですけど(p58)


・羽曳野市・・・教育費の52%、
 土木費の65%が同和予算です。
 そして同和事業の総額が決算しました
 全予算の三分の一を占めました・・(p84)


■本書の主人公浅田満は、同和の力だけでなく、
 山口組との関係もうまく利用していたようです。


 同和と山口組と政治家に関係があれば、
 「アンタッチャブル」のような
 力を持っていたようです。


 ただ、この点については、
 あくまでも取材による聞き取りによるものですが、
 ここまで書いて、著者の身に危険はないのでしょうか。


・浅田さんから山口組にカネが流れるいうんは
 一面の事実に過ぎんわけ。そやなく、
 逆に大金を抱えた関西の親分筋が浅田さんに
 『このカネ預かといてや』と
 百億の単位のカネを出してる。
 親分筋にすれば税務署が怖いし、
 安心できる保管先もない(p240)


■世の中、いろいろな世界があるのだな、
 と思いました。


 溝口さん、怖い世界を見せていただき
 ありがとうございました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・中部国際空港建設・・・ヤクザの息のかかった会社は
 業者が生コンを搬入するたび、一立法メートル当たり
 千~千五百円をピンハネする。(p224)


・部落解放同盟に籍を置く者たちは何をやっても自由、
 払うべきものを払わなくても自由という「聖域」を
 許した官僚エリートの臆病と事なかれ主義、
 バラ撒き行政が浅田にど外れた富を許し、
 同時にその富を汚したのだ(p278)


・大阪府では府知事・太田房江以下、
 府議の半分以上、府庁幹部の過半が
 浅田の子分同然だったとされる(p292)


食肉の帝王 (講談社+α文庫)
溝口 敦
講談社
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おすすめ度の平均: 4.5
4 同和と山口組を取材した勇気に
4 講談社ノンフィクション賞受賞作
4 何ともモヤーっとした読後感
5 事実は小説よりも奇なり
5 今からでも必読の好著

【私の評価】★★★☆☆(79点)



■著者紹介・・・溝口 敦(みぞくち あつし)

 1942年生まれ。
 出版社勤務などを経てフリー。
 著書多数。


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