「闇経済の怪物たち」溝口敦

| コメント(0) |

闇経済の怪物たち (光文社知恵の森文庫)

【私の評価】★★★★★(92点)


■通勤途中に、プレゼントで老人を集めて
 健康器具を売っている店舗がありました。
 しばらくすると、店は消えていました。
 こうしたグレービジネスが儲かるらしい。


 この本では、出会い系サイト、
 デリヘル、闇カジノ、オレオレ詐欺などの
 グレービジネス(一部は違法ビジネス)の
 実態を教えてもらえます。


 商売別の売上と経費の比率が
 紹介されているのが興味深い。


・出会い系サイトに関わる経費だが、
 サクラのフランチャイズ代が40%、
 広告費が18%、システム代が月6%、
 名簿代が5%、決済費が1%、
 出会い系本体の従業員人件費が15%、
 残り15%が会社の利益という・・
 月1億5000万円を売り上げ(p55)


■驚いたのはオレオレ詐欺は、
 高利の闇金融から派生した
 らしいということです。


 闇金融は10日で1~10割の
 利子を取る違法な高利貸です。


 闇金融はシステム金融とも呼ばれ、
 高利の支払に困った客を
 仲間のより高い闇金業者から借りさせ、
 これを繰り返して高金利を得る。


 10日で5割とすれば、
 1億円が10日で利子5000万円。
 無事回収できたとすれば、1カ月で
 1億5000万円になるという商売なのです。


 さらに、どうせ違法なのだから
 借りていない人からも金を集めても
 いいじゃないかということで
 闇金融組織の中からオレオレ詐欺で
 金を回収するグループが
 出てきたらしいのです。


・昇進を判断する基準は数字・・・
 店長連中が貸付金の回収だろうと、
 他の名目の振込だろうと、カネはカネだということで、
 カネを貸し付けてもいないところから
 カネを引っ張った。オレオレ詐欺です・・・
 オレオレ詐欺は、回収率アップを原動力として
 ヤミ金から自然発生した。
 「ヤミ金=システム金融」が「オレオレ詐欺=
 システム詐欺」に換骨奪胎されたのだ(p197)


■風俗やギャンブルが儲かるように
 グレービジネスは儲かるのだと
 思いました。


 また、違法ビジネスを行っている人が、
 俺が嵌めなければ、他の人が嵌める。
 だから罪悪感はないと、言っています。


 私には他人を不幸にしてまで
 金を取ることはとてもできないのですが、
 気にしない人もいるのですね。


 溝口さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・氏のヤミ金は成功し、300店舗、従業員1300人を
 数えるまでに肥大した・・「店員」は月給40万円
 からスタート・・「番頭」で、役回りは店長補佐。
 月給は200万~300万円。「店長」の月給は700万~
 800万円。その上が「統括」といい、月給1000万円
 が基本で、統括する店舗数で割り増しがついた。
 その上が「総括」で月給が5000万円。さらに上が
 「社長」になり、月給が1臆5000万~2億円。
 その上が3人から成る側近の「幹部」で
 月給2億~3臆円。その上が本藤氏本人で月収が
 最低でも2臆~3億円だった(p196)


・ユーザーからの(出会い系サイトの)
 課金徴収はすべて別会社への銀行振込だから、
 収入については歴然たる痕跡が残る。
 が、別会社は架空会社と言ってよく・・
 この会社のネットバンクには、
 トバシのWi-Fiを使ってログインし、
 入金の有無などを確認する・・・
 できるだけ銀行のATMを使うな、
 コンビニのATMを使え、
 コンビニ店員の方が対応が遅く、
 逃げ出せるチャンスが多いからとも
 指導している(p54)


・闇カジノ・・バカラ台2台を置き、1日平均
 売上が2000万円、店の利潤が150万円という。
 雇用はディーラーが5人、他に店長、
 キャッシャー、黒服、女の子が各1人ずつ。
 客への食事、酒代は無料。地元のヤクザに
 月100万円のみかじめ料を払っている(p112)


・毎日営業している闇カジノでは、
 あまりイカサマはやらない。
 ざわざわしているところはやりにくいし、
 バレたときが怖い。実際にイカサマが
 多いのはマンション・バカラです。
 目当ての金持ち1人を完全に嵌めるため、
 マンション・バカラに誘い込む(p119)


・アダルトビデオ制作会社の
 社長として年間2億円を稼いでいた・・・
 21歳のとき、知り合いにAVの
 事務所をやらないかと誘われた・・・
 彼女の出演料が1本500万円で、
 一緒に30本の出演という契約を結んだ。
 計1億5000万円(p166)


・『海外から4~5キロ、金属の塊を持ってくるだけで
 小遣いになるぞ』と若者を誘って運ばせてます。
 プロの資金力にもよりますが、ふつうは1回に
 4~5名のチームを組み、それぞれに4~5キロ
 持たせる場合が多いので、1回に計20キロ前後、
 購入価格ベースで1臆円未満の仕事です。
 1回の利益は800万~1000万円って
 感じでしょうか(p190)


・人には好かれて、かつ恐れられろ・・・
 ヤクザ界の高倉健(p209)


・(ヤクザの)シノギを通して学んだいくつかのルール・・
 まず朝早く起きて、やりたくないと思った仕事から始める。
 シノギに当たっては最悪の事態を覚悟する。
 いろいろな変化や条件を想定しながら仕事に臨む。
 事を避けようと思ったら、相手に読まれる。
 避けようと思ってはならない。どんな事態になっても、
 わが身に引き受ける気持ちがあれば解決していく・・
 最終的にはお互いウィン-ウィンの関係に
 持っていくのがベストだ(p227)


この記事が参考になったと思った方は、
クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓ 
blogranking.png


人気ブログランキングへ


闇経済の怪物たち (光文社知恵の森文庫)
溝口敦
光文社 (2019-03-08)
売り上げランキング: 109,524

【私の評価】★★★★★(92点)

[Amazonで購入する]

[楽天ブックスで購入する]



■目次

第1章 「裏」情報サイトの先駆者
第2章 出会い系サイトの帝王
第3章 堅気のデリヘル王
第4章 危険ドラッグの帝王
第5章 日本一のイカサマ・カジノディーラー
第6章 FXの帝王、仮想通貨に挑戦
第7章 六本木の帝王と関東連合
第8章 詐欺の帝王の新事業
第9章 ヤクザ界の高倉健



にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ第3位
にほんブログ村




この続きは無料メールマガジン 「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』:1ヶ月30冊を超える情報をe-Mailで」でお読みいただけます。

無料メルマガ購読

>月別(2002年7月~)