「人間というもの」司馬 遼太郎
2009/12/08公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(85点)
要約と感想レビュー
私は、司馬遼太郎の本が好きなのですが、なんといっても時々出てくる名言が大好きで、その名言を探しながら読んでいるといってもいいでしょう。この本では、そうした名言を司馬遼太郎の著書からピックアップしています。
いま、テレビドラマでやっている「坂の上の雲」を読んだときは、「精神主義と規律主義は,無能者にとって絶好の隠れ蓑である」という名言にしびれました。司馬さんの名言は、人間の本性というものをずばりと表現しているものが多いと感じます。
・千代は、利口さを、「無邪気」で擬装していた。利口者が、利口を顔に出すほどいや味なものはないということを、この娘は、小娘のころから知っている。「功名が辻」(p228)
司馬遼太郎さんは、こうした名言を出演者に言わせるために小説を書いていたのではないかとも思えるところがあります。司馬遼太郎の名言のエキスだけ楽しめますので、本の評価としては★4つとしました。
この本で私が共感した名言
・人間、思いあがらずになにができましょうか。・・・才ある者は思いあがってこそ、十の力を十二にも発揮することができ、膂力ある者はわが力優れりと思えばこそ、肚の底から力がわきあがってくるものでござります「国盗り物語(一)」(p12)
・人の一生はみじかいのだ。おのれの好まざることを我慢して下手に地を這いずりまわるよりも、おのれの好むところを磨き、のばす、そのことのほうがはるかに大事だ「峠(上)」(p20)
・小人という西郷の用語は己れを愛する者という意味である。「・・・小人ほど才芸のあるもので、むしろこれを用いねばならぬものである。さりとてこれを長官に据えたり、これに重職をさずけたりするとかならず国家をくつがえすことになる「翔ぶが如く」(p24)
・何者かに害をあたえる勇気のない者に善事ができるはずがない、と継之助は考えている「峠 上」(p49)
・自己を忘れれば天の心にちかくなり、胸中が天真爛漫としてきて、あらゆる事や物がよく見えるようになった「翔ぶが如く(二)」(p188)
▼引用は、この本からです。
【私の評価】★★★★☆(85点)
著者経歴
司馬 遼太郎(しば りょうたろう)・・・1923年大阪市生まれ。本名、福田 定一。学徒出陣のため大阪外国語学校蒙古語部卒業後、陸軍に入隊。満州へ行き、終戦時は本土の戦車連隊所属。復員後、朝日新聞社を経て、産業経済新聞社入社。「ペルシャの幻術師」で講談倶楽部賞、1960年『梟の城』で直木賞を受賞。1961年に産経新聞社を退職し、作家生活に入る。『竜馬がゆく』『国盗り物語』『坂の上の雲』『空海の風景』『翔ぶが如く』など構想の雄大さ、自在で明晰な視座による作品を多数発表。1996年逝去。
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