「項羽と劉邦」司馬 遼太郎
2004/05/09公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(72点)
要約と感想レビュー
秦の始皇帝の死後、項羽は楚を復興し、やがて秦を滅ぼす。その軍勢の中には劉邦がいました。戦では百戦百勝の楚の項羽と、その人柄によって周囲に賢人を得た漢の劉邦。最後は人なのですね。
最後には力の項羽ではなく、弱いが人望のある劉邦が勝つというのは中国というより世の中の常なのでしょう。つまり、自力は大切ではありますが、自分だけでは限界があり、いかに他力を使えるのかということで大きな結果を出すのでしょう。
司馬さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・この呉の発音が漢籍や経典とともに東方の朝鮮南部や日本に伝わって呉音となり、また絹織物をつくるこの土地の方式も伝わって呉服とよわれたりした(上p63)
・親分ー英雄ーは流民に食を保証することによって成立し、食を保証できない者は流民に殺されるか、身一つで逃亡せざるをえない。食は、掠奪によって得る(上p236)
・この大陸にあっては兵士と盗賊の区別がつきがたく、戦って勝てば掠奪し、掠奪を期待することで士気もあがるという習性があった・・(上p350)
・劉邦はただ、「おのれの能くせざるところは、人にまかせる」という一事だけで、回転してきた(中p48)
【私の評価】★★★☆☆(72点)
著者経歴
司馬 遼太郎(しば りょうたろう)・・・1923年大阪市生まれ。本名、福田 定一。学徒出陣のため大阪外国語学校蒙古語部卒業後、陸軍に入隊。満州へ行き、終戦時は本土の戦車連隊所属。復員後、朝日新聞社を経て、産業経済新聞社入社。「ペルシャの幻術師」で講談倶楽部賞、1960年『梟の城』で直木賞を受賞。1961年に産経新聞社を退職し、作家生活に入る。『竜馬がゆく』『国盗り物語』『坂の上の雲』『空海の風景』『翔ぶが如く』など構想の雄大さ、自在で明晰な視座による作品を多数発表。1996年逝去。
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